2018年1月ベトナム縦断・世界遺産の旅 (1)

小林秀治

1月2日(一日目)

ベトナム社会主義共和国を訪問する。今回は、ベトナム縦断・世界遺産の旅である。ベトナムは、1650キロ、沿岸の総延長距離は3260キロと南北に細長い国だ。
  4時30分過ぎに南大沢の自宅を出発。朝が早いので、息子に八王子・京王相模原線南大沢駅まで送ってもらう。成田空港まで南大沢駅からリムジンバスで行く。集合時間の7時20分ギリギリに成田空港の第1ターミナルビル北ウイング4階に着く。奥のほうにある阪急交通社のカウンターで受け付け。
  9時半、成田発のベトナム航空直行便にてホーチミンへ向かう。ANAとの共同運航便で日本人の客室乗務員もいるので日本語は通じる。出発時間は予定通り。

ホーチミンまで行き6時間、帰りは4時間

サイゴン大教会

ホーチミンまで行き6時間、帰りは4時間行きの空路は約6時間。機内では、昼食と飲み物のサービスがある。
  私は、映画(アニメ)「君の名は」と「花戦さ」という邦画を見て過ごした。確かに「君の名は」物語として空想的だが、感動するものがあった。
  「君の名は」は、1000年ぶりとなる彗星がくるのを1カ月後に控えた日本を舞台に、山深い田舎町に暮らす女子高生・三葉と東京で暮らす男子高生の瀧が入れ替わってしまうというストーリー。だが、すでに三葉は、彗星の落下で死んでいたのだ。ラストで二人が出会うシーンは感動になる。2016年8月に公開され、累計の興行収入は250億円を突破し、邦画歴代2位の記録となっているアニメ。アニメなので、映像として映画館で見るのがより感動すると思う。
  「花戦さ」は、僧・池坊専好(野村萬斎)が華道、生け花で秀吉(市川猿之助)とたたかって勝った話である。対照的に茶道で秀吉と対峙した利休は切腹させられてしまったことが描かれている。歴史ものとして豪華キャストで面白い。
  現地時間の13時半にホーチミンの空港に着く。日本との時差は2時間である。以後、現地時間で表示する。ホーチミンの天気は晴れ。気温30度。日本では真夏といったところだが、蒸し暑くはなく30度もあるとは感じない。いまベトナムは乾季で湿度は少ないのが原因か。むしろ日本の初夏のようだ。日本が冬だったので、長袖から半袖に着替える。
  入国手続きを経て、現地ガイドに案内されホーチミン市内観光に向かう。ガイドの最初の挨拶は、xin chao シンチャオ「こんにちは」である。今回は、日本からの添乗員も一人ついていた。よく聞けば、添乗員は、阪急交通社の社員ではなく子会社からの派遣という。派遣は日本社会の隅々まで広がっているなと思う。労働者派遣法の改悪で派遣できる職種が広がったことで、低賃金労働者が加速度的に広がり、日本の貧困と格差を広げていて、深刻な問題である。
  今回のツアーの移動は、貸し切りバスである。ベトナムには地下鉄がなく、交通機関は、バス、タクシーである。市内バスは、観光客には乗りこなすのが難しい。
  最初は、旧南ベトナム大統領官邸で今は統一会堂といわれ博物館になっている場所。1975年4月30日、人民解放軍の戦車がここに突入し、ベトナム戦争が終わった。当時、この建物からヘリで逃げる人々が日本のテレビでも写し出されていたことを思い出す。すぐ近くには、19世紀末に建てられた赤レンガ造りのサイゴン大教会がある。表の二つの尖塔が美しい。今、修復工事中で中に入れない。


フーティウ麺

その隣には、フランス統治時代に建てられた貴重な建築文化財である中央郵便局がある。どうみても駅にしか見えない。それもそのはず、西欧の駅に似せた造りとなっている。
  17時過ぎに夕食会場のレストラン「CONGU」に着く。メニューは、麺「フーティウ」や「お好み焼き・バインセオ」など南部ベトナム料理であった。麺やスープはきつい香草の味はなく、食べやすいものでおいしい。フォー麺は、平たい柔らかい歯ごたえのある麺。フーティウ麺は歯ごたえがしっかりとある細い麺で、豚肉を出汁にスープを作っているので油っぽいのが特徴である。


ベトナム伝統芸能の水上人形劇

夕食後移動し、ベトナム伝統芸能である水上人形劇を鑑賞する。劇場内であるが、ステージが水面であり、日本ではないものだ。水面に人形を出し操る。操る人は、水面下にいる。描くのは、ベトナムの農家の日常生活。農民、家畜、龍、獅子などが登場する。水面下の操る人は、一切その姿を現さないため、息継ぎが大変なところで人形を操る。そこに感動する。
   19時50分にホテルに着く。チェックインは、添乗員とガイドがやってくれるので、早い。今日のホテルは、サイゴン大教会から北西に3キロほど行ったラマナサイゴンホテル。


ベトナムのトイレ事情はまだ発展途上

ホテルは、ツインで広め。風呂もよい。トイレもよいがウオシュレットはない。しかし、よく見ると、後ろ側に細く小さいシャワーがついている。取って使ってみる。しかし、水の勢いが強く調整できず、水が便座にもかかってしまう。ただ、洗った感はあるのでないよりはよいかな。ベトナムのトイレ事情は、まだまだよくないようだ。きれいなのは、大きなホテルや観光客が立ち寄る店などであるとガイドは言う。
  ホテルでは、液晶テレビが備えてある。チャンネルは70もある。NHKワールドや海外のチャンネルも入っている。
  ホテルの窓から見えた光景は、3階建てくらいの街並み。ベトナムの民家は、都市部では長屋でできている。しかし、日本の長屋とは違い、高さはまちまちである。ベトナムでは、資産税が間口で違うようで、狭く細長い建物が多い。また、特区以外は、高さ規制があるようでホーチミンで超高層の建物は少ないが、ホテルから遠くに30階建てくらいのマンションらしきものが見えた。
  最初の夜、シャワーのみで就寝。奥さんは、バスタブにお湯をため、ゆっくりと入っていた。


1月3日(二日目)

6時半、ホテルで朝食。バイキング形式で品数がそろっていて、ベトナム料理もたくさんあり、おいしい。朝から二人とも食べ過ぎている。なんといっても麺とそのスープは癖がなくておいしい。果物も南国なので豊富。冬にスイカもあり甘くておいしい。
   8時20分にはホテルを出発する。ベトナム縦断の旅なので、ホーチミンは十分観光できず、もう、飛行機で移動する。

バイクが多いベトナム

ベトナムの正月は旧正月なので、朝からバイクで混雑。庶民はまだ、車が高くて変えず、バイクが足となっている。ベトナムの庶民の年収は、約25万円。交通事情は、車よりバイクが多い。中国製のバイクは、4万円くらいで買えるが、故障が多いとのこと。日本製のバイクは高いが、壊れない。ホンダのカブは40年ももっているとのこと。
   日本では信じられないが、信号など交通ルールはあるがほとんど守られていないとのこと。あ!危ない!逆走もよく見られた。 バスの運転手は、常に警笛を鳴らし、バイクなどに注意を促して走っていた。だが、警笛は、やさしく鳴らしているようだった。
   11時10分にホーチミンを経ち、空路で中部のフエに向かう。12時35分にフエ空港に着く。天気は、曇り時々ポツリ雨。中部での現地ガイドが出迎える。
   昼なのでレストラン「LAPINES」へ。太めの米麺「ブンボーフエ」などフエ伝統料理を食す。飲み物は、夕食では一つついているが、昼はつかないので有料。ビールを頼む。350ミリリットルで3ドル、350円くらい。日本のガイド本では、1円が250ドンとなっていたが、現地では1円が200ドンであった。ベトナムのレストランでは、水やお茶などすべての飲み物は有料だ。200円から500円くらいである。町中で買うよりはレストランのほうが高い。
  そして、ベトナムでは、水道水も飲めないので、水を買うことになる。安いので、500ミリリットルが4本で1ドル、1本約30円くらい。空港などの水は、500ミリリットル1本1ドルである。町中の店で買うのがおすすめ。ベトナムでは、コンビニがほとんどない。(続く)