2018年3月 房総の旅 (2)

小林秀治

3月26日(ニ日目)

外が明るくなったので、午前5時半くらいに起きる。

御宿海岸の日の出

御宿海岸の日の出
  日の出は5時36分である。これから夏至に向けて、日の出時刻は、少しづつ早くなる。
   日の出時刻に外を見ると、御宿海岸の左手、山の上から朝日が半分上っていた。太陽は、まぶしくなく、赤く光っていた。少しするとすっかり、太陽は、空に出てまぶしい光を発しはじめた。
   いつも、日の出を見ると、日の光が地球を、私たちを生かしていると思う。
7時半過ぎに朝食。夕食と同じ場所。そこのレストランは、全面ガラス張りで海が広く見え、視界良好である。
   朝食は、菜の花のおひたしや豆腐、納豆などが小鉢に入っていて、食べやすいようになっていた。バイキングでは、いつも食べすぎる。時間をかけて食べるせいか、食べすぎる。
   9時半にホテルを出発。海岸なので、海風が朝から強い。砂浜は、細かい砂であるが、飛んではいない。風がもっと強くなると、砂は飛ぶ。私の故郷の新潟の海岸では、風の強い日は、砂が舞い、煙のようになる。

月の砂漠記念館へ

月の砂漠記念像
  ホテルからすぐに行ったところに、月の砂漠記念館がある。案内では、9時開館と書いてあったが、開いていない。その隣、細い川を渡ったところに月の砂漠記念像がある。男と女が二頭のラクダにまたがっている銅像である。ここで、記念撮影。中東の砂漠のような風情ではある。
   「月の砂漠をはるばると・・・」という歌をここの砂浜をイメージし、加藤まさをという詩人が書いたものである。記念館は、加藤まさをの作品や資料などを展示している。
   月の砂漠記念館を後にし、昨日、通ってきた道を南下する。目指すは、南房総市の山名というところ。館山に近く、海岸線沿いから山に入ったところである。
    そこに行くまで、時間があるので、途中の安房小湊に寄る。ここは、日蓮上人の生まれたところで、誕生寺がある。そこをお参りし、港にあった海産物などを扱った土産物屋で買い物。上がったばかりの1キロ程のメダイなどを買う。

昼食は、「百姓屋敷じろえむ」へ

百姓屋敷じろえむ
  安房小湊を後にし、11時45分頃、百姓屋敷じろえむ(レストラン)に着く。山名に入ると、レストランの場所を農作業をしていたおばちゃんに聞く。すぐ行き方を教えてくれた。そこから5分くらいで着いた。
   ここのレストランはすべて予約制である。レストランといっても、昔の農家の建物をそのまま使ったもので、イメージするレストランの店とは違う。食べるところも農家の部屋である。
   店の宣伝では、「きれいな水、肥沃な土によって採れた新鮮な有機野菜や有機米。平飼いでより自然の状態で産んだ有精卵。丹精こめて育てた食材を使った自然食を、築300年の百姓屋敷でお召し上がり頂きます。」とある。
   出てきた食事は、2000円のコース。卵焼き、つくしの煮物、野菜の天ぷら、旬のタケノコ、田楽、窯で炊いたご飯など。調味料以外は、自家製とのこと。素朴で、おいしい。店の主や奥さん、従業員が入れ替わり、出てくる。そして、奥さんが何分も話の相手をしてくれる。
   レストランを始めたのは日が浅いのだそうだ。もともとは、養鶏農家とのこと。最近では、安倍政権の農政のおかげで、農家は苦しくなっている、後継者がいなくなっている、このままでは日本の農業が危うくなるのではないかと心配していた。

金谷港からフェリーで久里浜へ

遠くに見える久里浜
  13時半過ぎにレストランを金谷港に向けて出発。富津館山道路に入り、富津金谷インターで降りるとすぐ金谷港である。14時前に着く。すでに車は並んでいる。20台くらいの後に着く。そして、切符を買う。東京湾を横切り、久里浜までのフェリー、車と運転手は3120円、大人一人は720円の運賃である。地方のフェリーに比べると安いような気がする。
   14時20分、金谷港をフェリーは、ゆっくりと出発。午後の天気のよい、今日の東京湾は波が穏やかで、風も弱い。金谷港からは、久里浜の火力発電所の3本の煙突が見える。久里浜港までは40分の航程、東京湾横断フェリーの小さな旅である。
   妻は、フェリーや遊覧船に乗るのが好きなようだ。最上階から下のデッキの一番前の席が空いていたので、そこに座り、フェリーの先の海を見ている。
   この辺の海は、アジ釣りにきている海である。いつもは遊漁船のそばをフェリーが横切っていく。
   東京湾で、狭まったところなので、貨物船など大型船舶がひっきりなしに行き交う。よく衝突しないなと思う。中型の貨物船がフェリーの前を横切ろうとしている。フェリーより船足が早いような気がするが、このままではちょうどぶつかるのではとひやひやするが、余裕をもって、中型の貨物船は、フェリーの前を過ぎていき、衝突せずに済んでいる。そうした光景が、久里浜に着くまで3件くらいあった。
   15時、定刻で久里浜港に到着。フェリーを降りて、佐原インターに向かう。20分くらいで佐原インターに着き、横浜横須賀道路を北上。その後、保土ヶ谷バイパスを北上。ここは釣りの帰りに利用するが、いつも混んでいる。それでも、国道246号線を渡る、高架道路ができたおかげで、16号線に入るのが楽になった。 途中、夕飯の買い物をして、南大沢の自宅に戻ったのは、17時過ぎであった。 以上