「いろり焼きひな鳥山」から大学セミナーハウスへ
小林秀治
南大沢の自宅から遊歩道を通り、東京都立大学の北にある柳沢の池公園を見て、さらに北に向かう。遊歩道の脇には、チュウリップなどの花が咲いている。遊歩道が途切れると、一般道路を歩き、大栗川にかかる大田平橋を渡り、左に行く。
道を斜に入るところに、「いろり焼きひな鳥山」の入り口がある。約700メートル歩くと「鳥焼きの店・いろり焼きひな鳥山」に着く。 駐車場には車があり、営業しているようだ。ネットを調べてみると、連休もやっているようだ。ここは、すべて、個室で密になることがないからよいのだろうか。やっている店には、最近、「まだやっているのか、閉めろ!」と嫌がらせがあいついでいるようで、せちがらくなっている。
店の入り口は、山門風の招福門、合掌造りの建物や洋館も並び、木々でうっそうとしている。季節になると、蛍も飛ぶ。小船で料理が運ばれて、店員との接触はレジ以外はない。串に刺された料理を自分たちで焼いて食べるのがこの店の特徴。敷地内には、大きな三連の水車が回っていて、田舎の風景も醸し出している。なぜか、なつかしさを感じる。 私が、多摩地域で仕事を始めた頃からこの店があるから、もう50年以上はあるのだろうか。 この近くには、鎌田鳥山、高尾の近くには「うかい鳥山」などの鳥焼きの店があり、お薦めである。
「ひな鳥山」から登っていくと大学セミナーハウスに至る。 この大学セミナーハウスも古く、開館して55年になる。私が東京に来てから47年になるが、その前からある。 大学のセミナー、合宿所として使われている。雑木林に囲まれた丘陵にあり、合宿所としては、都心から近く、閑静で、雑木林に囲まれていて、とても良い所である。 大学セミナーハウスの敷地内に入り、入り口と反対側に抜ける。敷地の境には塀などはなく、雑木林があるのみで、それが塀の役割をしている。敷地内の大学セミナー室を抜けると、雑木林が迫り、そこから獣道らしきものが奥に続いている。そこの道を進み、少し行くと、薄暗くなり、誰も通ってはいないようで、蜘蛛の巣も張っている。倒木が道を塞いでいる。そこを潜り抜けていくと視界が開け、眼下には、寺院と畑が見えた。
下って、寺院の境内に入った。寺の方が掃除をしている。「こんにちは」と声をかけ通り過ぎる。 寺の山門をくぐる。山門には永昌院とある。宗派は曹洞宗だ。 参道から山門の眺めはとてもよい。 永昌院の観音堂は、1447年の創建とのこと。古さが伝わる。 永昌院を後にすると、南の彼方の上の方に、自宅に近い団地が見える。今日は、そこをめざしての帰りとなる。今日も心地よい汗をかいた。