10.9 特別区人事委員会が給与勧告

給与マイナス0.14%(−558円)、一時金は据え置き
民間給与実態を正確に反映していない勧告

■10月9日、特別区人事委員会は、区職員の賃金等に関して勧告・報告を行いました。
 国・人事院は、給与削減が行われているにもかかわらず、給与・一時金ともに改定を見送りましたが、特別区は、5年連続のマイナス給与勧告となりました。一時金は据え置き(3.95月)となりました。

■給与は、0.14%で588円の引き下げとなりました。所要の調整として、事実上、2013年4月に遡って、減額措置を実施するとしていますが、不利益不遡及の原則からみて多いに問題です。
 2013年の東京の民間賃金水準は、決して下がっていません。一時金については、上昇傾向にあったはずです。この勧告は、精確に調査されていないといえ、納得できるものではありません。
  1999年以降、給与のマイナス改定・見送りが続き、平均年間給与減収額は、14年間の累計で△89万2千円にも達し、今回の勧告で、約△90万1000円となります。税負担や社会保障費が増大しているもとで、賃金の引き上げや諸手当の改善は、特別区職員にとって喫緊の課題となっています。

■住居手当は、大きな見直しが行われました。
 支給対象・・世帯主等の職員で借家・借間に居住し、月額27000円以上の家賃を支払っている者。(持家は対象外となります)
 月額・・8300円
 加算額・・満27歳までの者18700円 満28歳から満32歳までの者9300円
 実施時期・・平成26年4月1日 必要に応じて経過措置を実施する。

■一時金は、特別区内の民間が3.95月ということで、据え置きを勧告しました。しかし、民間は、住宅手当や通勤手当なども含んだ「所定内賃金」で計算しており、5%以上も特別区職員が低く抑えられています。今回、改定なしとしたことは大きな問題です。

■職員の年間平均給与の減少額は、25歳係員で0円、40歳係長で約△6000円、平均では約△9000円の減少となり、毎年の年収減が積み重なり、職員の生活への影響は必至です。

■今後の給与制度では、職務・職責が的確に反映された給与制度とするとし、管理職、係長職の給料等について見直しを図ることが必要としています。また、勤勉手当の成績率の運用について、適正に運用するよう求めています。

■50歳台の給与のあり方については、給与カーブフラット化等で、給与水準の上昇を抑制しています。

■再任用職員の給与は、雇用と年金の接続に係る国の検討状況や民間の動向を引き続き注視していくとし、すぐの見直しはしないとしています。平成26年度からは、今勧告の再任用給料表を適用。

(勧告概要を添付)