職員の給与に関する報告(意見)・勧告 |
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T |
本年の給与改定について |
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1 |
民間従業員と職員との給与の比較 |
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(1) |
民間給与実態調査の内容(平成17年4月) |
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区分 |
内容 |
調査対象規模 |
企業規模100人以上で、かつ事業所規模50人以上の事業所 |
事業所数 |
特別区内の910民間事業所を実地調査(調査完了710事業所) |
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(2) |
職員給与等実態調査の内容(平成17年4月) |
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職員数 |
民間従業員と比較した職員 |
職員数 |
平均給与 |
平均年齢 |
63,648人 |
31,119人 |
432,546円 |
44.1歳 |
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(3) |
比較給与種目の見直し |
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本年より、民間企業の役付手当及び給料の特別調整額(管理職手当)を比較給与種目に算入 |
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(4) |
公民比較の結果 |
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民間従業員平均給与 |
職員平均給与 |
較差 |
428,355円 |
432,546円 |
△4,191円(△0.97%) |
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(注)職員、民間従業員ともに本年度の新卒採用者は含まれていない。 |
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U |
改定の内容 |
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1 |
給料表 |
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・ |
公民較差を是正するため、各職務の級において引下げ改定 |
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2 |
扶養手当 |
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区分 |
17年勧告 |
現行 |
・配偶者
・配偶者のない第一子 |
14,700円(△1,000円) |
15,700円 |
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3 |
初任給調整手当 |
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・ |
国及び他の地方公共団体の動向を踏まえ、所要の改定 |
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4 |
特別給(期末手当・勤勉手当) |
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・ |
人事院勧告、他の地方公共団体の動向及び民間における特別給の支給状況を勘案し、年間の支給月数を現行の4.4月分から4.45月分に引上げ |
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5 |
行政職給料表(一)の初任給改定 |
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区分 |
17年勧告 |
現行 |
T類(大卒程度) |
179,200円(△600円) |
179,800円 |
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6 |
配分 |
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給料 |
諸手当 |
はね返り |
計 |
△3,521円
(△0.81%) |
△222円
(△0.05%) |
△448円
(△0.10%) |
△4,191円
(△0.97%) |
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(注)四捨五入の関係で、内訳は合計と一致しない。 |
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7 |
実施時期等 |
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・ |
給与水準引下げの改定であるため、遡及することなく、改正条例の公布日の属する月の翌月の初日(公布の日が月の初日であるときは、その日)から実施 |
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・ |
平成17年4月から改定の実施前日までの期間に係る公民較差相当分の解消が図られるよう、人事院勧告に準じた所要の調整措置 |
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V |
給与構造の改革 |
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1 |
改革の必要性 |
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・ |
本年、人事院は、制度発足以来50年振りとなる給与構造の改革のための関係法律の改正を勧告 |
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・ |
特別区においても、給与制度への職務・職責の反映や勤務実績の反映が十分でないことから、改革を進める必要 |
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・ |
年功的な給与上昇を抑制し、職務・職責及び業績に応じた適切な給与制度への抜本的な改革が必要 |
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2 |
見直し事項 |
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(1) |
給料表構造 |
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・ |
中高齢層の民間賃金水準の動向を踏まえ、給与カーブのフラット化について引き続き検討 |
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・ |
勤務実績をきめ細かく反映できる構造に改めるため、現行の号給を原則として4分割 |
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・ |
職務・職責に応じた給料表の級構成とするため、初号等の号給を廃止、行政職給料表(一)等の、現行1級及び2級を統合 |
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(2) |
地域手当 |
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・ |
国における、俸給月額の水準の引き下げや、新たに導入することとしている地域手当に関する特別区における対応について、引き続き慎重に検討 |
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(3) |
昇給方法 |
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・ |
普通昇給と特別昇給を統合し、評価期間と昇給時期を統一する必要 |
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(4) |
昇給停止年齢 |
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・ |
業績に連動する昇給制度の下、昇給停止年齢の廃止を検討する必要 |
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(5) |
枠外昇給制度 |
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・ |
職務・職責の違いを明確にするため、枠外昇給制度を廃止する必要 |
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(6) |
昇格時の号給決定方式 |
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・ |
昇格メリットを一定額加算方式にすることについて検討 |
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(7) |
級格付制度 |
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・ |
職務給の観点から問題があり、廃止に向けて検討する必要 |
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(8) |
給料の特別調整額(管理職手当) |
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・ |
職務・職責の違いを的確に反映できるよう、現行の定率制から定額制に見直す方向で引き続き検討 |
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(9) |
特別給(期末手当・勤勉手当) |
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・ |
能力・業績主義をより一層推進するため、一般職員への成績率の導入及び成績率の設定の検討や、特別給に占める勤勉手当割合をさらに引き上げる必要 |
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・ |
職務段階別加算の加算率については、職責の違いを明確にする方向で見直す必要 |
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3 |
改革の実施時期 |
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平成18年4月以降、できる限り速やかに実施する必要 |
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4 |
定期評定制度の給与処遇への反映 |
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職務・職責及び業績に基づく給与制度の構築には、評価制度の整備が不可欠であり、その整備に喫緊の課題として取り組み、定期評定結果をできる限り速やかに給与処遇へ的確に反映 |
人事制度、勤務環境の整備等に関する報告(意見) |
T |
人事制度 |
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1 |
評価制度に関する今後の取組み |
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・ |
組織業績の向上を目指し、給与、任用、人材育成において相互に関連性を持たせた総合的な人事・給与制度が必要であり、その基礎となる評価制度の確立が不可欠 |
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・ |
特別区においては、目標管理型の人事考課制度を一般職員に導入していない区が多く、評価結果の活用も十分ではないなどの課題があり、制度の検証や改善が必要 |
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・ |
目標管理の手法は、組織全体のパフォーマンスの向上につながる有力な手法であり、今後、制度の充実に向けてより一層積極的に取り組むべき |
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2 |
人材の確保と職員の育成等 |
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・ |
採用試験のあり方について引き続き検討するとともに、計画的な配置管理、各種研修の効果的な実施、自己啓発に取り組みやすい職場環境の整備等の一層の取組みが必要 |
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3 |
再任用職員等の活用 |
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・ |
多様な任用形態の職員を活用する方策について、引き続き検討していくことが必要 |
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4 |
昇任選考制度 |
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・ |
昇任選考受験率の低下傾向が続き、組織運営にもたらす影響も危惧されており、受験意欲を喚起する方策や昇任選考制度のあり方について、より具体的な検討が必要 |
U |
勤務環境の整備について |
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1 |
職業生活と家庭生活の両立支援 |
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・ |
国においては、本年4月、育児・介護を行う職員を対象とした早出遅出勤務制度を導入しており、特別区においても導入の検討が必要 |
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2 |
超過勤務の縮減等 |
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・ |
超過勤務の縮減についてのさらなる取組みや、有給休暇等の取得しやすい職場環境づくり等を一層推進する必要 |
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3 |
心の健康づくり |
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・ |
病気休職者のうち、精神疾患を理由とする職員の割合が増加傾向にあり、解決のための計画的な取組みが重要 |
V |
その他 |
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1 |
公務員制度改革の動向 |
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・ |
国の動向に注視しながら、新たな人事・給与制度構築の検討を進めていくことが必要 |
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2 |
公務員倫理 |
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・ |
より良い区政の実現のために、職員一人ひとりが、区民から、より一層の信頼を得られるよう努力していくことが必要 |
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3 |
人事委員会機能の充実 |
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・ |
今後とも、給与勧告について、一層の精確を期するよう努めていく |
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・ |
23区連合の人事委員会として、人事行政の制度設計やその運営に関する蓄積を活かし、各区の実態に応じて、サポート機能を充実させていく |
(参考) |
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改定による平均年間給与の減少額(行政職給料表(一)適用職員) |
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改定前 |
改定後 |
差 |
約716万5千円 |
約711万7千円 |
△4万8千円(△0.7%) |
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