パワーハラスメントの対応の基本
(この内容は、「パワーハラスメントの衝撃」(金子雅臣著、都政新報社)より抜粋したものです。)

職場におけるいじめは個人的な問題ではない。働く人たちの能力発揮を妨げるばかりでなく、企業の社会的評価を著しく低下させることにもなりかねない労務管理上の問題でもある。そこで、職場におけるいじめを防止し、発生した問題に適切に対処していくために、次のような基本を押さえた取組みが大切である。

(1) これまでの発想では対応できない
いじめを規制する法律が制定されていないこともあり、取組み自体がまだ体系だったものとはなっていない。また、問題が発生してやむを得ず取り組みを始めるケースも、まだ試行錯誤を繰り返しているというのが現状である。
問題が起きてしまえば相談対応しなければならないが、問題の本質や対処方法についての理解が十分されないまま、場当たり的に対処されているのが実状である。相談担当者や解決を任されて指名された人たちも、大いに困っているといったケースが多いのではないかと思われる。
実際は人事担当者などがその立場から、とりあえず対応する相談者として指名されている場合が多い。したがって、これまでの人事的な発想や対応が行われ、果たして相談員としての役割は一体どのようなもので、どのようなことをやればいいのかも、なかなか理解されていないのが現状である。
ところが、こうした理解とは別に、一度事件が起こってしまって相談が持ち込まれることになると、ことはそう簡単にはいかない。一次対応の誤りは、場合によっては大きな事件に発展し、企業秩序に大きな影響を与えることになる。
現実には、相談された管理職などが企業の対面を重視したり、自分の立場を優先するあまりに、穏便にすまそうという計らいをすることが多い。その結果、被害者の訴えを必要以上に押さえつけようとして、事態がかえって大きくなってしまったケースも数多くある。
また、被害の訴えに対して、相談を受けた人の個人的価値観から問題を軽視したり、大したことではないと、ないがしろにしたことで、対応のまずさが問題の混乱に拍車をかけているものもある。
いずれにせよ、こうしたことは、この問題に対する基本的な理解がされないまま、場当たり的に、あるいはやむなく取り組みを進めていることの弊害であり、混乱であるといえる。
このように現場が混乱する最大の理由は、「些細な個人的な出来事」という、これまでの企業がもっている価値観での対応では解決が難しくなっていることが挙げられる。最近のパワーハラスメント問題は、こうしたこれまでの認識の変更を求めているのである。だからこそ、従来どおりの対応では通用しないことが一つの大きな特徴である。
すでに触れてきたように、従来はこの種の問題は「個人的なこと」と考えられてきた。だから、「本人の考えすぎ」とされたり、一過性の「相手の配慮を欠いた言動」や「不注意な行動」として処理されてきた。また、極めて限られた人間どうしの問題であり、「特殊な加害者の属性によって起こされるもの」と考えられがちだった。したがって、その処理も「個人的にやるべき」であり、多くの場合に被害者となる「本人の側の落ち度」と考えられ、「会社の関与せざること」と考えられてきた。
しかし、これに対して近年では、すでに見てきたように「雇用管理上の問題として配慮する」ことが必要なテーマになりつつある。そのことは、これまでの視点を抜本的に変えることにほかならない。すでに見てきた多くの事例は、そのことを怠って、これまでどおりの対応をしようとすることによって、事態が混乱することの典型例でもある。

(2) 対応の原則
パワーハラスメントへの対応は、なるべく初期段階で対応するほうが解決が容易であるといわれる。それは、時間が経過するほど深刻化することが多く、解決が困難になるからである。そこで、問題が起こった場合には、できるだけ迅速な対応が必要とされる。
問題が発生した場合、迅速かつ適正に問題が処理されるためには、まず、何よりも職場の苦情処理相談窓口や上司に相談が寄せられることが必要である。(問題をキャッチする)
そして、その寄せられた相談に対して相談窓口や上司が連携して、初期段階で迅速かつ適切な対応ができることが大切である。(初期段階での対応)
また、問題によっては、会社のルールによって、苦情処理機関など公正かつ厳正な対応が、解決に向けて重要なものとなる。(信頼される解決機能)
また、実際にいじめ問題が発生したら、相談・苦情には次のような視点を踏まえた適切な対応を行うことが必要になる。
@ パワーハラスメントは労働者の個人としての名誉や尊厳を傷つける問題であることを基本に、人権の問題であるとの認識をもって、人権尊重の視点から対応する。
A パワーハラスメントは、個人の問題にとどまらない、職場環境の問題であり、雇用上の差別ともなりうる人事・労務管理上の問題としてとらえて対応する。
加害者、被害者の心理や意識の違いから生ずるコミュニケーション・ギャップが問題の理解を困難にしているため、双方の意思疎通を図ることを重視した対応を進める。
相談窓口の担当者や苦情処理機関の構成員が、パワーハラスメントの問題に対応するにあたって、必要な点については、後で詳しく検討する。

パワーハラスメントの発生


パワーハラスメントが発生した時、まさに晴天のへきれきとも言うべきこの種の事件に直面した場合、被害者はどのような行動をとるのだろうか。もし加害者として名指しされている本人に抗議し、問いただして謝罪を求めることができるような場合でも、そのことによって解決が図られることは難しい。
本人が事実を認めた場合でも、その意図をめぐる見解の相違が表れる。故意で悪意のあるものであればもちろん、事実を認めようとしない場合にはもっと困難な問題を抱えることになる。
いずれにせよ、こうした問題について、もし上司や会社に訴えることができたとしても、簡単に解決できる場合の方が少ないであろう。それどころか、そうした訴えが加害者の知ることになった瞬間から事態はもっとややこしいことになりかねない。

(1) そのとき被害者は……

パワーハラスメントが発生したときに、どうなるのか。そのことを現実的に考えるために、もう少し具体的に事件の発生から訴えに至るまでの一般的なプロセスをみてみることにする。
事件の発生と一般的な対応フローチャート
事件の発生 被害者は追いつめられた気持ちになっている
上司・友人・知人などに相談
友人知人は同情や励ましを与えるが具体的な解決の道はもたない。
上司は同情的な立場を取ったとしても、扱いの難しさに戸惑い、個人的なことと理解する。
上司・会社の対応開始
上司・会社は本人をなだめて善処を約束する。しかし、具体的な対処に困惑する。とりあえず、会社としては加害者に事情を聞くなどの調査を行う。
上司・会社本人を説得
加害者が否定した場合、解決の道が難しいことを告げて、ことを荒立てないほうがいいとアドバイス。
加害者が事実を肯定した場合、上司・会社は穏便な解決を求める。
被害者と上司・会社が対立関係に
両者の言い分が食い違い、調整が難しくなると、加害、被害の判断が難しいため、和解を勧める。しかし、被害者は和解案を拒否することが多く、被害者と上司・会社が対立関係になりがちである。
和解 その後周囲の説得である程度不本意ながらも和解に動く
訴訟 会社や上司も助けてくれなかったと思い訴訟へ動く
その他 行政機関や弁護士、労働組合などと相談する。
(2) そして会社は……
さて、企業としてはどのように対応すべきなのか。企業は、職場におけるパワーハラスメントの発生を未然に防ぐためにも、予防対策を取るとともに社内で問題を適切に処理できる体制を確立しておくことが求められる。それは、起きた場合の対処ができるだけでなく、防止効果もあるからである。
すでに見てきたように、問題を迅速かつ適切に解決するためには、一刻も早く問題の発生をキャッチして、初期の段階で対処することが有効である。そのためにはまず、相談窓口がキチンとしていることが必要であり、また窓口に現れた相談者のその後を的確に処理するための相談や苦情処理体制の整備が不可欠である。
予防対策と苦情処理体制は表裏一体であり、相談・苦情を訴える方法を明確にして周知を図ることは、苦情を抱え込んだ相談者のためになるのはもちろん、従業員の意識啓発にもつながり、いじめの発生そのものを抑制する効果もある。
言い方を変えれば、予防こそが最大の対処方針である。そのことを絶えず念頭に置いた取り組みを進めることが肝要である。そこで企業としての実際の相談への対応を考えてみることにする。
まず、相談窓口をつくることから問題の解決を図っていくまでの一般的な企業としての取るべき手順をフローで示すと、図のようになる。

相談窓口をつくる
苦情処理体制をつくる
相談・苦情の受付
相談内容の整理
当事者などから事情聴取
事実の再確認
和解への調整
和解の成立
再発防止のための措置

相談・苦情への対応

(1) 相談窓口をつくる
パワーハラスメントの相談・苦情にはさまざまな程度や形態のものがあるが、相談窓口をつくることが問題解決への第一歩となる。企業は、職場におけるいじめに関する相談・苦情に対応するための窓口を明確にしておかなければならない。あらためてそうした専門の窓口をつくることはしなくても、既存の苦情処理相談窓口で対処するのであれば、そのことを明確にすることが必要となる。
従業員が気軽に相談や苦情の申し出ができる体制を整えて、できる限り初期段階で相談を受け、「相談」の段階で解決できることがベストである。その場合の窓口の役割は、気の毒な被害者の相談を受けてやるというスタンスではなく、企業として一刻も早く問題をキャッチして責任をキチンと果たすという認識が大切となる。
つまり、パワーハラスメントは企業の雇用管理が不十分だから起こったのではないかという観点を忘れずに取り組むことが必要である。問題の責任を被害者個人のせいにしようとしたり、企業の体面を守るために、解決を至上目的としてしまったりしないように心がけなければならない。すでに深刻な段階になっているケースなどでは、企業としての体面や外聞だけを気にして無理に解決しようとすると逆に命取りになりかねない。
@ 相談窓口の設置場所
相談窓口を設置する場合、次のような場所が考えられる。
専門の相談室を設けて相談員を置く
組織内に相談専門の部署を設置
相談担当者を登録・公表して随時相談を受ける
相談日などを特定して外部(または内部)の相談員が相談に応じる
外部の法律事務所など専門機関に委託する(日本にはまだ専門機関は少ないので、弁護士個人に依頼するなどが一般的である)
実際には、こうした問題は人事問題だというとらえ方が一般化しているため、人事部門が相談窓口となる場合が多い。しかし、こうした部署は、人事的な対応が優先されがちなことから相談者が相談することを躊躇してしまうことが多く、そうした点も考慮に入れた窓口の設置が好ましい。
また、人事部門の相談担当者はとかく処分などを優先的に考えがちとなるため、かえって事態を拡大させてしまうケースも見られる。早期の段階の相談・苦情や比較的軽微なものについては、人事的な発想とは離れた対応のできる独立した窓口の方が好ましいと言える。
いすれにせよ、相談者の人権を回復することが一番大切である。もし、加害者の処分などが必要な場合でも、それは最終的な処理段階での問題である。ここでのポイントは、できるだけ相談者が安心して相談できる場所に窓口を設置するような工夫をすることである。
A 相談担当者
相談担当者を選任するにあたっては、次のようなことに留意する必要がある。
担当者には、人権問題に対する十分な認識と理解をもつと判断される人物を選任する。
適任かどうかについての判断は、あくまで相談者からみて適任と判断される人であることが大切な要素である。会社の立場だけで判断すると、相談の機能を果たせないこともあるからだ。
そうした適任者がいない場合、担当者となった人には人権問題についての認識を深めるような研修を実施したり、他の機関での研修の機会を与えることが必要である。
複数の担当者を選任することが必要である。
相談担当者の性別や適性、そして職務や地位などによって、どうしても理解度や判断力に個人差が出ることは避けられない。そこで、相談者が最も相談しやすい担当者を選んで相談できるよう、性別や階層別などいろいろな立場から複数の担当者を選んでおくことが望ましい。
担当者には女性を含めることが好ましい
被害者の多くは女性であり、しかも性的プライバシーに関わる問題もあることから、「女性でなければ話すことができない」という場合も出てくる。そこで、女性の担当者を選任して相談しやすい体制をつくることも視野に入れる。
担当者には、相談応対の手法やカウンセリングなどについて研修を行うなど、資質の向上を図るとともに、担当者同士の事例研究や意見交換の場を設けることが効果的である。
相談者は、精神的にダメージを受けている場合も多く、相談担当者の対応の仕方によっては、むしろ問題を深刻化させてしまうこともある。そうしたことを避け、また担当者のプレッシャーを軽減するためにも、相談を受けるにあたっての訓練を施すなどの支援体制を制度化することが必要である。また、一つの事例を担当者一人に任せることなく、絶えず情報交換をして総合的な判断ができるシステムを内部に作り上げていくことも、相談を効果的の行うための大きな要素となる。
B 相談担当者の基本的心構え
相談者は、一般的に相談窓口に現れるまでに、悩みぬいて、意を決してやってくる場合が多い。彼らの多くは心理的にダメージを受け、精神的にも不安定になりがちであることを頭に入れて話を聞き、内容を十分に理解し、相談者の望む解決策を把握しなければならない。
また、加害者、被害者の双方の間に入って、和解を勧めることになったり、苦情処理対応でこの問題を取り扱うことになれば、まず、対立する両当事者の主張を聞くことになる。感情的になりがちな当事者たちから正確に事実関係を聴取し、適切な問題解決につなげていくことは決して容易なことではない。
パワーハラスメントは、個人のプライバシーに関わる問題であり、相談者への格段の配慮が必要となる。担当者の配慮を欠いた対応などによっては、問題がより深刻化することにもなりかねないことはもちろん、事態をより解決困難なことにしてしまうこともあるので、十分な注意が必要となる。
相談・苦情処理担当者は次のようなことに留意し、慎重かつ適切な対応を心がける。
相談者の立場に立って話しを聞く
相談や苦情を受けるにあたっては、何よりも相談者との信頼関係を築くことが大切である。そのためには、いじめなどですでに傷を負っている状態の相談相手をさらに傷つけない配慮が必要となる。相談・苦情処理担当者が、「相談者にも落ち度があったのではないか」という立場を見せたり、自分の価値観で「一方的な指示や決め付け」をしたりすれば、相談者が何を不快と感じて、何を訴えたいのかについて、まず理解する。
あくまで本人のための相談であって、相談者の同意なしには一切の相談内容について第三者に話すことはないことを説明し、安心して相談できる雰囲気をつくることも大切である。
自分の価値観で判断しない
パワーハラスメントは、基本的には職場内の人間関係である。したがって、まったく知らない人間同士の問題ではなく、当事者双方が社内の人間で、広がっても親会社や取引関係の会社という場合がほとんどである。
そこで、問題になるのは加害者や被害者についてのさまざまな情報が相談担当者に影響を与えがちで、そうした先入観によって対処されがちになることである。加害者や被害者について、「仕事のできるあの人がそんなことをするわけがない」とか「この人の言うことは信用できない」といった判断や先入観が生まれやすくなることに注意が必要となる。
いかに、公正で客観的な立場から話しを聞き、問題の処理を図っていくことができるかが解決の大きなポイントになる。特に、社内の人が相談・苦情処理にあたる場合には格段の注意が必要である。
C その他の留意点
複数窓口を設置したり、相談の方法を面談によるものに限定せず、電話や手紙、電子メールでも対応するなど、相談者が相談しやすいような工夫をすることも効果的である。
相談の対応については、マニュアルを作成するなど、なるべくルール化しておくと役に立つ。
相談の段階においても、内容や状況に応じて人事部門や相談者の上司と連絡を取るなど、適切なフォローの体制を整備しておくことも必要である。
相談の段階では、匿名によるものについても受け付けることが望ましく、匿名相談の取り扱いについても検討が必要である。
あくまで、相談は当事者主義を取ることが原則であるが、場合によっては第三者や加害者からの相談も受けつけ、広く情報を得やすいかたちにする工夫も必要である。
カウンセラーや心療内科医といった医療機関などとの連携が取れるようなバックアップ体制を用意することも大切である。
プライバシーが守られるような相談室を確保する配慮も必要となる。

(2) 苦情処理体制をつくる
@ 苦情処理体制の基本
相談窓口とあわせて大切なのが、この苦情処理体制の充実である。相談窓口での解決が困難な場合や内容が重大と判断されるような場合には、事実を調査確認し、問題の解決の処理にあたる対応が必要となる。そして、この処理対応の公平性や信頼性、さらに迅速な対応が問題解決の鍵になる。
逆に、この体制がしっかりしていないと、相談担当者に大きな負担をかけてしまうことになる。体制がしっかりしていることによって、相談担当者が安心して相談対応することができる。
いずれにせよ、相談窓口とこの苦情処理対応の連携による処理対応が問題解決能力を決めることになると言っても過言ではない。パワーハラスメントが起きてしまった場合に備えて、相談窓口の設置と同時に、苦情処理対応のルールとして、問題を公正な立場で客観的に調査し、迅速かつ適切に処理していく苦情処理対応を整備しておかなければならない。
以下では、苦情処理対応の基本について整理しておく。
A 苦情処理の基本
相談者を含めた当事者のプライバシーを守ることが鉄則
相談者の人権を尊重し、また関係者を含めた当事者の知り得た秘密は厳守するという姿勢が必要なことは言うまでもない。パワーハラスメントは、人権の問題であり、プライバシーに関わる問題である。
興味本位に話しを聞いたり、細部の質問をしすぎたりすれば、相談者を傷つけることになる。これは、加害者とされる人と話しをする際にも同じことが言える。相談を受けたり、当事者の話を聴取したりする際には、当事者の名誉やプライバシーを尊重して話しを進める必要がある。
また、こうした問題が外部に漏れた場合はもちろん、噂となるだけでも相談者や加害者とされる人の立場が悪くなったり、職場に居辛くなったりすることにもつながりがちである。職場の上司や人事部門など他の人に内容を伝える必要が生じたときは、必ず、相談者の同意を得ることが必要である。
迅速な対応を心がける
窓口に寄せられた相談・苦情については、迅速な対応と処理が必要である。時間が経過すれば事実確認が困難になるとともに、加害行為がその言動を継続していれば、被害が深刻化する恐れもある。
たとえ、問題が比較的軽微と思われる場合にも、「しばらく様子をみよう」とか「無視した方がいい」などという先延ばしの態度は絶対に避けるよう心がける。
投書などの相談にも対処
いじめでは、無記名の投書などでの苦情の訴えもある。こうした場合(個人的なトラブルではない場合)には、無記名などのケースでも取り扱う方法を検討しておく必要がある(例えば、そうした投書については、広報紙などで公表して広く警鐘を鳴らすために活用する。その指摘されている事実が特定の部署の問題であれば、事実を確認した上で、その部署を対象とした特別研修や対応のためのミーティングを実施する)。
未然防止の視点で苦情処理にあたる
相談の内容については、一見軽微なものと思われるものにも、深刻な問題の芽が含まれていることもある。一つ一つの相談・苦情に対し真摯に対応していくことで、いじめが重大な問題へ発展することを防ぎ、未然防止にもつながることを意識して対応する。
また、相談担当者は相談には至らない段階であっても、噂や直接関係なさそうな苦情などからも問題となるような兆候がないか注意が必要である。日常から職場の様子に目を配り、周囲に声をかけて問題を掘り起こすようにするなど、問題を早期に発見するような心がけが大切である。
相談・苦情申し出の受付票の用意
相談内容を聞くにあたって、問題を事前に整理して聞くため、相談者には受付票を提出してもらうといい。受付票によって理解し、ポイントを絞って相談をスムーズに進めることができる。口では言い出しにくいことでも、相談表にメモをすることで、スムーズに問題に入れることもあるし、記録として保存もできる。
相談の入り口段階では、広く電話や電子メールによるものや、第三者や目撃者からの相談・苦情なども受け付けて、受付票を提出しなくても、あるいは匿名でも相談に応じるようにする。
ただし、それぞれについてのその後の対応については、十分に検討しておく。どのような手段の相談についても、聞きっぱなしや受けとりっぱなしにしてしまわないことが必要である。相談者に不安を与えないため、随時の連絡を取り、進行状況を伝える配慮も心がける。

(3) 相談・苦情の受付
@ 事実関係を正確に把握する
相談者自身が混乱していたり、自分自身でも起こった事実を客観的に受け止めることができなかったり、問題点を整理しきれていないことが多いのが現実である。時には、相談者が感情的になっていたり興奮状態ということもある。
分からないところは質問を交え、相談者の言葉を繰り返して確認するなど、忍耐強く話しを聞き、事実の正確な把握と問題の整理に努めるようにする。時間がかかっても、相談担当者は勝手な解釈や判断を加えることなく、客観的に話しのポイントをつかむことが問題解決の第一歩となる。
A 相談・苦情処理担当者の役割、苦情処理機関での一連の手続きの説明
相談・苦情処理担当者は、何を行うのか、相談者とのヒアリング以降、どのような手続きで事実確認から問題解決処理までを行っていくのかなど、あらかじめ全体的な流れを説明しておく。
また、それぞれの段階で対応者の果たす役割もしっかりと説明しておく。相談の段階、調査の段階、苦情処理の段階など、それぞれの段階での性格づけや、役割がはっきりしていれば相談者も混乱しないで対応することができるからである。
さらに、見通しが立つのであれば、相談・苦情の内容を考慮し、問題の解決が図られるまでに要する時間の見通しを伝えておくことも相談者を安心させることになる。しかし、事態は必ずしも予測どおりに進むとは限らないので、問題によっては事態は流動的であることも示唆しておかなければならない。
B 相談・苦情の申し立てにより相談者に不利益処分を与えないことの説明
相談・苦情を申し立てたことによって、企業が相談者に不利益な取り扱いをしないことについての十分な配慮が必要である。被害者の立場は常に微妙なものとなりがちなので、加害者はもちろん、状況に応じて上司などについてもきちんと配慮を指示しておくことが必要になる。
そうした対応の上で、加害者とのヒアリングに際しても加害者などの報復的な行動を厳しく禁止することを相談者に伝える。もし報復的な行動があれば、すぐに相談担当者に知らせてもらうようにして、拡大を防ぐようにする。
C パワーハラスメントを許さないという企業の意思の明示
相談者とのヒアリングの際には、いじめの問題について企業は決して放置しないことや、企業が責任をもってその解決にあたることを言明する。そして、企業にはいじめのない職場をつくる責務があることを繰り返し、明確に伝えることが大切である。

(4) 相談内容の整理
相談者が何を求めているか把握する
相談者といっしょに問題を整理する
パワーハラスメントを当事者が納得した上で解決していくためには、まず相談者の話をよく聞き、何を求めているかを把握することが必要である。しかし、そうは言っても相談者自身にも解決策も結論もない場合が多いのも、この問題の特徴である。
したがって、相手の話を聞きながら、その中で相手の意向を汲み取ったり、察していくことも必要となる。さらに、相手の立場に立ってアドバイスを交えながら、相談者の気持ちの整理の手助けをすることも場合によっては必要となる。
担当者は、相談の内容から相談者が話を聞いてほしいだけなのか、苦情処理対応での具体的な措置を求めているのかまどをよく見極めなければならない。相手のペースにあわせて、相談者に質問をしたり、場合によっては提案をしながら、問題の整理をして相談者が何を求めているかを理解する。
相談の初期の段階では、まず、相手の心を落ち着かせ、気持ちを整理できるようにしていくことに重点を置く。気をつけなければならないことは、慌てて「どういう対応をして欲しいと考えていますか」などといきなり切り出さないようにすることである。
この段階では気持ちが揺れているため、被害者自身もどうして欲しいのかはっきりしないことが多い。そういう状態で、「どうしたいのか」という質問をいきなりしてしまうと、「それが分からないから相談にきているのに」と反発されたり、「そんなことが分かっているなら、何も相談しない」と、こちらを拒否してしまうことも往々にして起こる。
また、反発しないまでも、「相手を殺してしまいたい」とか、「別に、何をして欲しいということはないのですが……」などと、自分の思っている感情をストレートに表現したり、整理のつかないままの遠慮に出会ってしまうことになりがちである。
そんな状態で、いろいろなことを聞いてしまうと、後に心の整理がつき始めてきた時の考え方や言い方との食い違いが大きくなり、後の対応に混乱をもたらすことになりかねない。
こうした話は、当初はともかく、ある程度聞いてしまうと、聞く側は途中で遮ってしまいたい衝動にかられがちである。しかし、こうした気持ちを抑えて聞く側に徹することは、相手にカタルシス効果(すっきりさせる)を与えるということも考慮に入れる必要がある。

(5) 当事者などからの事情聴取
@ 被害相談は当事者主義が原則
まず最初は、問題となっている行為を受けている被害者本人から、直接事実関係を聴取することから始めるのが原則である。第三者や目撃者からの申し立てにより事実確認をスタートする場合にも、できるだけ被害者から直接話しを聞くようにする。
しかし、どうしても本人が来られない場合に友人や親などが代わりに窓口に現れるケースもあることを想定しておく。こうした場合にも、あくまで当事者主義であることを伝えることがよく、そんな場合にはなるべく次回は本人が窓口に来るように勧める。
あくまで、当事者主義を取るのは、本人の意向が大切であることと、本人の意思に沿って解決を図ることが原則だからである。友人などの代理人の意向で進めると、本人の意思とは違った方向になってしまったり、あるいは本人の意思に反することもあるので注意が必要である。
また、本人から事情を聞くと同時に、本人の言い分の裏付けを取るため、関係者から事情を聞くことや、加害者から言い分を聞くことについても同意を得ておく。その内容は例えば次のような確認をする。
□ 事実調査に向けた合意
 ・ 加害者とされる者からの事情聴取(相手方への事実の告知範囲など)
 ・ 目撃者等からの事情聴取(聴取方の特定、事実の告知範囲など)
 ・ 上司、同僚などからの事情聴取(事実の告知範囲など)
A 加害者からのヒアリング
相談者の意思および被害の程度等により、加害者とされる者から事実関係の確認を行うかどうかを判断しなければならない。相談・苦情があったことを相手方に伝えることが、相談者に何らかの影響を生じることも考えられるので、事前に必ず加害者とのヒアリングを行うことについて、相談者の了解を得ることが必要となる。
ここで大切なことは、加害者に対して相談者の主張についての詳細を伝えてしまってはいけないということである。相談者の主張の一部始終を伝えてしまうことで、加害者に対応策を検討させることになってしまったり、反論を用意させて構えさせてしまうことは極力避けなければならない。
とはいえ、ある程度、問題となっている事実を伝えていかなければ、加害者のヒアリング自体が成り立たないから、問題となっている事実の中心的なことだけを指摘し、その指摘されていることについての意見や事実についての認識の違いがあれば反論や主張をしてもらうという形で進める。
特に、これらの事実調査は本人のプライバシーとの関係が深く、どこまで相手に伝えながら事情を聴取していくのかが大きな問題となる。また、事情聴取の相手方と相談者本人との人間関係や信頼関係も問題となるので、その点についての配慮も必要となる。

相手側の言い分を相談者にどの程度伝えるのか
加害者や目撃者、そして関係者の事情を聞いて、相談者の言い分との擦りあわせをしていくことになるが、この場合、事情聴取の内容と相談者の言い分の食い違いをどこまで伝えながら調整していくのかが大きな問題になる。
相談者の側からすれば、自分の相談した事実が相手にどのような反論をされているのか、どこが言い分の食い違いとなっているのかは当然、知りたいし、その対応いかんで相談者の気持ちも変わってくる。
そこで、加害者側の言い分を相談者に全部伝えるというやり方をとるのか、部分的に伝えるのかの判断をしなければならない。ここは、解決に向けての一番難しいポイントである。双方の意見や主張を伝えながら距離を縮めていく作業は、慎重さが求められる。
つまり相手方に全部の言い分を伝えて、ますます相談者を感情的にしてしまうことも考えられるし、そのまま伝えることで、主張の食い違いが大きくなるだけで、解決から遠のいてしまうような事態も予測されるからである。しかし、少なくとも相談者は被害者であることから、相談者には最低限相手が何を主張していて、相談者の言い分とどこが違っているのかは伝えることが必要である。
また、加害者とされる人や、事情を聞く人には、事情を聞くための最低限の事実だけを伝えて、必要以上の情報を与えることは避けた方がいい。加害者の反論を用意させたり、事情を聞かれた人たちの間での噂話につながりがちだからからである。
以上のことをまとめれば、被害者にはある程度の状況把握ができる情報提供が必要であるが、加害者や事情聴取の相手方には、必要最低限の情報で対応することが原則となる。
B ヒアリングのやり方
加害者が上司の場合
加害者が被害者の上司である場合には、仕事に関連したいじめであることが多い。したがって、使用者責任を問われる確率が極めて高く、企業にとってはリスクの高いケースである。
そこで、調査にあたっても、使用者責任を回避することが過剰に意識され、事実が隠されがちである。また、加害者が職場で有能だったりすると、極力、事件を無視したくなるという状況が生じるので注意が必要である。
現に、裁判などに持ち込まれるケースで圧倒的に多いのがこれである。被害者の苦情や申告を無視し、軽視することでトラブルが拡大してしまい外部に出てしまうということも多く、そうしたリスクを十分に考慮して対応する。
さらに、上司の場合には被害者の雇用条件の変化や地位利用の内容に注目する必要がある。そこでこの問題に関連して、必要以上に差別的な雇用条件になっていなかったかについては詳細に調査しなければならない。
そのことと関連して、加害者は管理職としての立場と責任を知っているかを確認し、その責任においても速やかな解決に向けて協力すべきであることを伝える必要がある。

加害者が被害者の同僚の場合
職場の管理職がそのことをどの程度把握していたのかが大きなポイントになる。その場合、加害者と同時に管理職にも事情を聞くことになる。そこで、以下では管理職に問うべき問題点を挙げておく。
・ 管理職として、いじめや嫌がらせのことを知っていたのか。
・ 加害者に結果として加担するような行為はなかったか。
・ 事実を知ったときにどのように対応したのか。
・ 被害者の深刻な状況について把握していたかどうか。
・ やめさせる努力をしたかどうか(何をしたか)
・ しなかったとすれば、その理由は何か。

加害者が外部の者の場合
加害者が顧客やセールスマンなどで、取引先、運送会社、納品会社、工事会社、下請け会社、派遣会社などさまざまな場合が想定される。こうした場合には、いったい誰の責任でどのように解決していくのかが問われる。
やっかいなのは、相手企業に対して強い姿勢で対応できるかどうかという点である。下請けなどの場合には、調査も含めて自社同様の対応が可能だと思われるが、得意先や親会社などのように力関係が逆に働く場合が大変になる。
こうした場合でも、被害が歴然としている(刑法に触れるなど)場合には、毅然とした対応が必要となる。しかし、被害の程度によっては、社内的な対応(例えば配置を変えてもらうなど)での現実的な解決を求めることになる。
いずれにせよ、外部の場合には調査に向けての手続きも含めて、いろいろと配慮すべき事項が出ることが予想される。しかし、この煩雑さはともかく、そのことを理由にして対応しない、もしくは対応が遅くなることは決して好ましいことではない。例え加害者が外部の者であっても、解決についての責任は問われる場合もあることを考えて取り組みを進めることが必要だ。
この場合の調査は、まず自社の上司から事情聴取を始めて、社内調査を尽くした上で外部への対応を進めることになるのが一般的である。段取りを間違えて外部の会社に不必要な迷惑をかけることは極力避けなければならない。
さて、こうした加害者別の注意すべきポイントを踏まえた上で、以下では加害者とされる人への事情聴取についての検討を加える。

(6) 事実の再確認
相談者が相談・苦情への具体的な対応を望む場合、まず問題となっている事実内容の調査・確認などを進めることになる。特に相談員の段階で処理できると判断される場合には、早期に積極的な対応をしなければならない。
また、相談の段階で処理しきれないと判断されるケースでも、相談窓口での初期対応とその内容把握は解決に役立つ。そこで、自分のメモとしてだけでなく、他人にも理解できるように詳細なメモをつくっおくといい。
相談・苦情から発展してきちんとした判断による対応が必要となってきた場合には、苦情処理委員会といった苦情処理機関に委ねるのが一番いい。しかし、そうした機関がなければ担当のセクションに相談内容を報告し、これらの苦情処理対応セクションの判断によって、その後の対応が進められることになる。
その上で、あらためて調査チーム(委員会やプロジェクト、担当者)などによる事実の再確認が行われることになる。こうしたプロセスに入るときは、相談者の聞き取りなどと重複しないように連携した対応をとる。なお、メンバーを変えて事実の確認を再度行う場合には、必ず事前に相談者に経緯を説明して同意を得ておく。
調査に関連して記録の保存が大切である。担当者が異動などで変わったり、相談者の手から苦情処理機関に問題がバトンタッチされることもあり、記録の保存によるスムーズな連携が問われる。
ヒアリングでの聴取事項(相談票、聴取票)、証拠書類のコピー等は、必ず記録として保存しておく。記録の保存にあたっては、次の点に留意する。
記録にあたっては、聴取事項を書面で示したり、復唱するなどして、必ず聴取した相手に内容に相違がないかを確認する。
資料の収集、作成および保存に際しては、プライバシーの保護について十分に留意する。
証言などが刑事事件などに関わる重大な問題であるような場合には、本人の言い分を口述筆記したものに本人のサインを求めておく。この場合には、署名が拒否されることもあるが、その場合の対応も考慮した方がいい。
・ あなたの証言で判定がされるわけではないこと。
・ 署名のない証言については採用されないこともある。
・ 証言相手に対する名誉を守るためにも必要である。
・ あくまで証言は公表されない。
テープなどを取る場合については、相手方の了解を得て行うこととする。

(7) 解決に向けた整理
解決段階を迎えると、相談者の意思の再三にわたる確認が必要になってくる。予想以上に難しいのが、相談者がどのような解決方法を望むのか、どの段階まで問題の処理を進めてよいかといった相談者の細かい意思を確認することである。
相談者自身がなかなか問題を整理しきれていなかったり、感情的になっていたり、話自体が混乱している場合もある。そこで、この段階でも早急に意思を確認しようとせず、相談者が落ち着いて気持ちを整理できるようにさせていく。
大切なことは問題整理のためのアドバイスを繰り返して、少しずつ相談者の意向をまとめる手助けをすることである。相談者が納得して、自分の意思で選択ができるようになった時点で、意向を聞くようにする。焦ったり、自分の意思を押し付けると、後で解決の妨げになってしまうこともあるので慎重に対応する。
また、相談・苦情処理担当者が解決策を提案するような場合には、誘導的になったり、経験を振り回したり先入観にとらわれないようにする。相談者は、みずからの意思で決めることが難しく、相談担当者への依存心を強めているケースが多いので細心の注意が必要となる。したがって、あまり影響を及ぼすような対応は避け、その選択の影響等についても説明した上で、決して強制したりしないように留意する。
問題解決への道は多様であり、常に事態は流動的であること、したがって実際にどのような解決策がとられるかは、事実関係の確認の結果によることを伝える。しかし、いかなる場合でも本人の意思に沿った解決を求めていくという対応姿勢であることについては理解してもらう。この場合の聞き取りポイントとしては、次のようなことが考えられる。
□ どのような解決方法を望むか。
 ・ 職場環境の改善に向けた会社の対応(朝礼や掲示などでの警告、個人的な注意、研修など)
 ・ 加害者への一定の対応(加害者の謝罪文、蛇位置転換、懲戒処分)
 ・ 喪失した利益の回復(慰謝料の請求など)

(8) 再発防止のための措置
再発防止のための取り組みは、相談開始の段階から行われる。それは、事態がこれ以上に拡大しないようにすることと、同様の事態が新たに発生することを回避するためである。
@ 相談者への報復の禁止
加害者とされる人には、相談したことを理由に、いかなる形でも報復的な行為を行わないことはもちろん、誤解を受けるような言動を慎むことを確約してもらうことが必要となる。また、申し立ての対象となっている言動を続けることがあれば、それは事実上の報復行為とみなされる場合もあることを伝える。
就業規則などに苦情処理のルールをはっきりと定めたり、禁止規定に明文化して、報復やさらなるいじめのエスカレートには厳しく対応していく。この点が守られずに、報復や言い返しなどが行われるようなことがあれば、かえって職場は混乱して、企業としての管理能力が問われてしまう。
苦情処理段階ではもちろん、解決後にも誤解を招くような接触は極力避け、それが守られずに事態が悪化するようなことがあれば、ことの是非を問わず責任を問われることもあることを警告する。
A 当事者間での話し合いの禁止
この段階では、加害者から相談者への申し立てについての抗議や相談・苦情の取り下げの強要が行われる場合もある。すでに苦情処理対応によって事実関係の確認がなされる段階となっているで、当事者間で話し合うことは避けるよう厳命しておく。
ただし、この段階で当事者同士の話し合いが必要であり、解決にとってよいと判断される場合には、苦情処理担当者を交えた話し合いになるようにすることが大切である。
B 秘密の厳守の徹底
直接の当事者ではない第三者からは、情報が漏れやすくなる。漏れると問題が必要以上に複雑になったり、深刻化することがある。そこで、第三者への対応にも慎重さが求められる。
こうした問題はとかく噂になりがちで、そのことによって職場環境が悪化したりすることが多いこと、そうなると相談者が二重に傷つくことを第三者にもよく理解してもらう。また、他人のプライバシーに関わる事柄には守秘義務があることを伝え、意図的に漏洩した場合には、企業としてはルールに従って処分をすることもあり得ることをきちんと伝えなければならない。
これは解決した後でも同じで、とかく時間が過ぎることで「もう、時効だからいいだろう」ということになりがちである。そこで、当事者の和解協定にはもちろん、事情を知り得た人たちからはケースによっては、守秘の誓約書を取るのも一つの方法となる。