2005年度の夏季一時金等に関する要求書
 貴職におかれましては、日頃より千代田区職員の労働条件改善のためにご尽力いただき、敬意を表します。
 さて、本年3月、貴職に対する「2005年賃金・労働条件改善に関する要求書」を提出しましたが、現時点において具体的な回答と対応が必要な事項について、あらためて要求書を提出いたします。
 千代田区職員は、他都市と比べて低い賃金水準に置かれたまま、首都圏・東京での厳しい生活や、社会保障費の急激な負担増が強いられています。しかも、本年4月からは現業系職員に対する給料表改悪が強行されました。こうした実態は、昨年の賃金改定において給与改定が見送られているにもかかわらず、実態的には6年連続で賃下げが行われたと同じ状況を生み出しており、生活費補填としての一時金に対する職員の要求は切実となっています。
 一方、民間の夏季一時金の状況については、国内の主要企業のみならず都内中小企業においても、三年ぶりの改善となった昨年に続いて平均額・月数ともに前年実績を上回る状況にあり、全国最高の生活費がかかる東京圏で生活する特別区職員の一時金についても、早急に改善を図ることが必要です。一時金の加算措置についても、前向きに解決するとした貴職の回答が放置されたままであり、直ちに具体的な改善措置が行われなければなりません。
 また、人事・給与制度については、貴職から、人事院の「給与構造の見直し」等をふまえ、総人件費抑制と公務能率の向上に資するための新たな人事・給与制度の構築が必要である旨の考え方が示されています。しかし、人事院の「見直し」案は、職員の労働条件の大幅な変更をもたらし、給与の大幅引き下げのみならず、職員間の差別と分断、公共サービスの切捨てに直結するものであり、容認することは出来ません。区長会として、国の動向に安易に追随することがあってはならないことをあらためて意見表明するものです。
 既に特別区人事委員会は、査定昇給制度を含めた民間企業の給与実態調査など2005年「勧告」に向けた具体的な準備に入っていますが、私たちの賃金・労働条件の改善を図っていく上で、この「勧告」は重要な役割を果たしています。貴職におかれましても、私たちの要求事項を十分に理解され、特別区人事委員会に意見・要望を申し出ることが必要と考えます。
 以上の点を踏まえ、下記の事項について、政府・総務省等による不当な干渉・介入に屈することなく、特別区の事情と条件に基づき、自主的・主体的な立場から誠意ある回答と対応を行うよう要求いたします。

一、 2005年度夏季一時金等について
1. 支給月数は2.5月以上とすること。
2. 加算措置については、その適用範囲を行政職・業務職ともに拡大し、また、加算区分についても改善を行うこと。
3. 一時金の「基準日主義」を改め、勤務実績等に基づく一時金支給を行うこと。
4. 勤勉手当は廃止し、期末手当に一本化すること。

二、 2005年特別区人事委員会「勧告」について
1. 賃金是正「勧告」における、賃金水準の比較対象や較差算出の基準について、その問題点の是正や内容の改善など、特別区人事委員会に対して要請すること。
2. 特別区の人事・給与制度のあり方については、十分な労使協議と労使の合意が必要であり、人事院の「給与構造の見直し」に追随した一方的な「意見」の申し出を行わないよう、特別区人事委員会に要請すること。
3. 人事委員会勧告制度や特別区の統一交渉の機能と役割について、関係機関の一層の理解を得るように努めること。

三、 公務員制度改革について
公務員制度の民主的改革をはかるために、ILO勧告にそった労働基本権の完全保障など、関係法規の改正に向けて、政府関係機関への働きかけを行うこと。