人事評価制度要求案と討議資料 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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新たな人事評価制度の構築に向けて 公平・公正・正確な評価制度を (区職労要求案と職場討議資料) |
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2006年10月 千代田区職労執行委員会 |
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はじめに 2005年の賃金確定で、新たな昇給制度、勤勉手当への成績率などが導入されることになりました。これらの賃金制度の内容は、新たな人事評価制度を確立して初めて実施されます。 これまでの人事評価制度(人事考課制度)では、評価制度の内容が不十分であることや開示制度がないことなどで制度的に欠陥をもっています。 したがって、職員の納得のいく、新たに公平・公正・正確な評価制度を作っていくことが求められています。 特に、所属長の恣意的な評価、感情的な評価をさせないような評価制度をどうつくっていくかが課題となります。 そのための要求づくりのための資料を作成しました。職場での議論を期待します。 ご意見や感想がありましたら、区職労までお寄せください。(10月末まで) 導入の背景と民間企業での問題点 民間企業が先行して「成果・成績主義賃金制度」を導入しました。これは、社員に目標を持たせ、その達成度により一時金、本給、退職金に反映させるものです。 しかし、この制度は、今日指摘されているように、総賃金を減らすのが本質となっており、さまざまな問題を露呈させています。 したがって、民間企業では、見直しや廃止をしているところが多く出ているのが今日の現状です。 民間企業の後追いで公務職場に導入しますので、民間企業における問題点を把握し、公務職場になじむのか否かを十分検討した上での制度とする必要があります。 そのことを怠ると、長時間・過重労働における健康破壊が進行したり、違法な不払い残業が横行したりします。追いつめらて心の病を発症したり、過労死・自殺にまでいくことになります。また、上司による「セクハラ」、「パワハラ」を引き起こす土壌ともなります。 さらに、上司の方に目が向いてしまうので、「失敗隠し・欠陥隠し」、「虚偽報告」「安全・法令軽視」といった反社会的な行為が生まれる要因ともなります。 新たな昇給制度 給料表は、2006年4月に、これまでの一号分を4分割し、昇給月を4月1日に統一し、勤務評定等に基づく昇給をやりやすくしました。 昇給制度については、定期昇給、特別昇給を廃止し、勤務評定等に基づく昇給制度を導入しました。すべての職員を対象に、前年の勤務実績を評価し、評価結果に基づき区分AからEまでの5段階に振り分け、昇給号数を決めます。最高は、8号昇給で、最低は、昇給なしとなります。 なお、2006年度と2007年度は、これまでの特別昇給に相当する内容で実施されます。 千代田区は、すべての職層について、区分AとBは8号と6号昇給とし、昇給者が一番少ないかたちとなっており、改善が求められています。ちなみに、他の区の多くは、区分AとBは、6号と5号昇給とし、従来の3短、6短に相当する内容で昇給者を比較的多く取っています。(8、9ページの資料を参照してください) 06年度は4月に全員4号昇給で給料表切り替え 2006年4月に全職員について、4号昇給(従来の定期昇給分)が実施され、給料表も切り替えられました。06年度の昇給(従来の特別昇給分)は、これから実施されます。 実施予定は、区分Aについて、8号の残り分4号昇給、区分Bについて、6号の残り2号昇給を行う予定です。2007年度の昇給は、2007年4月1日にまとめて、実施されます。 なお、1号昇給分は、従来の3号昇給に相当します。 しかし、区職労は、実施者数が少ない当局案になっているので、区分A、Bについて、8号、6号昇給でなく6号、5号とするよう求めています。これが難しい場合は8号昇給の実施率を少なし、6号昇給の実施率を多くするよう求めることも考えています。また、主任主事以下、係長級、管理職との3区分にそって、職層によって昇給号数に違いを持たせるべきと考え、昇給号数を変えるよう求めています。 勤勉手当への成績率導入 勤勉手当について、成績率を導入し、全対象者から一定額を拠出させ、成績不良者から拠出させたお金を前年の勤務成績に基づき、成績最上位、上位者に配分します。 2006年度、2007年度は実施しません。その後、係長級以上が実施対象となります。主任主事以下については、今後当局側が実施を求めてくることが予測されます。 千代田区の場合、一律拠出割合は10000分100、下位の拠出は10000分の9750、最下位の拠出は10000分の9500と制度上の下限を考えています。しかし、区職労は、拠出割合を少なくするよう求めています。(10ページの資料参照してください) 新たな人事評価制度は06年中に労使協議要す 新たな人事評価制度は、2006年中に協議を行い、2007年当初から評定に入り、2008年4月から昇給制度等に反映させます。 東京都の成果主義型賃金制度 東京都では、10年以上前から実施されています。@評価そのものが難しく、評価者も無難な選択をする傾向がある、A本人開示など制度改善により、説明できないC,D評価は目に見えて減少した、B評価に対する異議申し立ての制度が欠かせず、労働組合が果たす役割は重要であると指摘しています。 そうした声を受けて、2006年4月から開示制度や業績評価制度、自己申告制度が見直されています。(15ページ以降の資料を参照してください。) 新たな人事評価制度についての区職労要求案 @評価の結果について、職員全員に対して開示すること。 A評定制度について、1次から最終評定までの流れを明らかにすること。 B昇給制度、成績率の適用にあたっては、定期評定の結果(最終評定)とおおむね一致させ、職員の理解が得られるものとすること。また、最終評定と昇給、成績率適用の際の振り分け基準を明らかにすること。 C定期評定制度の評定項目について、職員の勤務・行動が細部にわたって木目細かくできるように抜本的に見直すこと。特に、業績の項目について増やし、改善すること。その際、仕事の成果については、直接評価するような設問としないこと。 D苦情処理・相談制度をつくること。 1)(仮称)苦情相談委員会をつくり、苦情の申し立て受付や苦情処理及び相談体制をつくること。その際、その中に区職労代表を複数加えること。 2)苦情に対する意見の申し出について、区職労が行えるようにすること。 E評価について、係長、園長が所属長の肩代わりをしないこと。 F目標管理型自己申告制度については、人材育成に利用するものとし、結果について昇給、昇任、勤勉手当の成績率に使わないこと。 G所属長評価の目安にするための簡単な自己を評価する項目を設けること。 ■要求案の解説 @評価結果の開示を全員対象とすることについては、全職員とすることが制度上も必要不可欠なものと考えます。希望者のみとすることの考えもありますが、評価結果を毎年昇給等に反映させるわけですから、評価結果と昇給結果が一致しているのかの情報開示は全職員にすべきです。 A、B、C人事考課制度の定期評定制度の評価項目は、賃金と連動させるにはとても不十分です。新たな評価制度をつくるわけですから、職員の行動、業務態度等について、細部にわたり木目細かい評価項目が必要と考えており、抜本的な見直しを求めています。例えば、「1年間努力したこと」について評価することなどです。また、「仕事の成果」については、評価することが難しいので直接評価しないことを求めています。その上で、定期評定結果と昇給や勤勉手当への反映については一致させることを求めています。これまでは、必ずしも一致していないように思います。 D新たに苦情処理・相談制度をつくることを求めています。当局はつくる方向で検討していますが、まだ提案されていませんので、具体的に要求を出すものです。(仮称)苦情相談委員会をつくり、苦情や相談を受付て対応します。そうすることによって、所属長に受付しなくてもよいことになります。所属長の評価に疑問があり苦情相談申し立てを行うわけですから、その所属長に受付を申し込むのは当該者としてはいやなものです。また、その中に労働者側の立場で、また公平性・納得制を確保できるように発言できる区職労代表を入れるよう要望しています。 区職労代表が入ることにより、区職労で苦情相談の受付が可能になります。 E出先職場など所属長が日常的にいない職場の職員の評価について、係長や園長などに評価の肩代わりをすることを禁じる要求です。日常的に職員を見ていないで評価するわけですから、面接はしっかりおこなってもらう必要があります。ただし、日常的に所属長が職員をみているわけではないので、係長等から参考意見を聞くことや事実のみを記載する行動記録票をつくなどの対応は有り得ると考えます。 F目標管理型自己申告制度を賃金制度と連動させることを禁じ、主に人材育成や業務運営、人事異動に利用するよう求めるものです。 公務職場では、民間企業のように、目標を立て、成果が直接数値などで明確に表われて評価できるものではありません。公務職場では目標と成果の関係が図れるものではありませんし、成果そのものを追い求めることが必ずしも区民サービスにつながるものでもありません。したがって、目標管理型自己申告制度の賃金制度への利用に反対しています。 このことは、新たな人事評価制度を作る上での一番の肝心な要求です。 ちなみに、自己申告制度について、条例・規則等での規定は全くありません。 G職員自身が1年間の行動・仕事を分析し、総合的に自己評価をすることにより、所属長等の評価の参考データとするようにするものです。 なお、定期評定制度と自己申告制度に対する細部の要求は、別途提出する予定です。 昇給制度に関する要求案 @A区分、B区分の昇給号数について、別紙のように適用する職務の級ごとに分けること。 AD区分について、昇給号数は、2号とすること。 BC、D、E区分の人員分布率については、事前に定めないこと。 CすべてのA、B区分の合計の人員分布率については、全体の20%以上とし、かつB区分の割合を多くすること。(以上、7ページを参照してください) ■要求案の解説 @2008年度からの新たな評価制度に基づき、毎年4月1日付けで全職員の昇給が決定されます。これまでのように職員一人一人昇給月が違うことはありません。 行政職(1)給料表の場合、1級から3級、4級から5級、6級から9級の3段階に分けて、昇給号数を決められることになっています。 管理職層、係長層、一般職員層では、昇給号数が同じである必要はありません。区当局案は、すべてA、B区分について8号と6号になっており、昇給者数がい一番少ないものとなっています。そこで要求では、係長層や一般職員層では、管理職層より昇給者数を広げられるように、A区分について6号、B区分について5号にするよう求めています。 AD区分については、わずかな昇給しかできない1号昇給ではなく、せめて2号昇給とするよう求めています。 BC、D、E区分についての人員分布率は、あらかじめ定めることは無理矢理評価してあてはめようとするもので、問題が出てきます。また、あらかじめ人員分布率は定めないようにすることが、区長会との交渉で確認されていますが念を押す意味で当局回答を求めるものです。 CA、B区分についての人員分布率は、当局案では15%ですが、これまでの特別昇給による昇任者数の割合を引き継ぐかたちで、合計で20%以上とすること、また、B区分の人員分布率が、A区分より大きくなるようにすることを求めています。 勤勉手当の成績率に関する要求案 @一律拠出割合をゼロにすること。 A成績段階下位の成績率は、10000分の9875以下とすること。 B成績段階最下位の成績率は、10000分の9750以下とすること。 C加重値について、「最上位」と「上位」の割合は2対1とすること。 (以上、7ページを参照してください) ■要求案の解説 @勤勉手当への成績率が2008年から導入されることになりました。当面は、係長までの適用にしています。 当局案は、大きな差がつくように制度最高の成績率の適用(下位上限2.5%、最下位上限5%)と一律拠出上限1%を提案してきています。 区職労要求案は、まず、一律拠出について、ゼロにすることを求めています。当局案では総合評定で「普通」以上をもらっても拠出しなければならずマイナスになる矛盾があります。「普通」や「良好」の評価を受けた者からも懲罰的に勤勉手当を取り上げるのは、制度矛盾といえます。また、このことにより働く意欲を大きく引き下げるものと懸念されます。 A、B下位、最下位の成績の者の成績率についても当局案よりゼロに近くなるよう求めています。相対評価により、「最上位」「上位」「中位」「下位」「最下位」に振り分けられる矛盾のある制度であるため、それを少しでも軽減するために、成績率を少なくするよう求めています。 C当局案では、「最上位」と「上位」への増額配分割合は、4対1となっていますが、あまりにも開きがありすぎますので、せめて2対1とするよう求めています。そもそも「最上位」と「上位」の差はどこに見出すのかもあいまいとなっており、4倍もの差をつけるのには問題があると言えるものです。 この要求案は、みなさんからご意見をいただいた後、補強修正し、区当局に提出し、検討を求めます。 制度自体に問題を抱えている人事評価制度ですが、昇給や成績率に反映されることから、よりよくなるように改善を求めることが重要です。制度適用にあたって、全体として賃金抑制がされ、職員一人一人が分断されては取り替えしがつきません。そうさせないためにも職場からの声が大事で、当局に大きな声を届けましょう。 ■語句解説 人事考課制度 定期評定制度と自己申告制度で構成されています。定期評定制度は、1年間の職員の項動・仕事に対して、評定項目に沿って評価し、総合評価をつけます。自己申告制度には、目標管理型が導入されています。現在の制度について、資料を添付していますので、11ページから14ページを参照してください。 新たな昇給制度 2005年の賃金確定で導入が決まりました。その条件は、新たな人事評価制度をつくることが条件となっています。8、9ページの資料をご覧ください。 勤勉手当への成績率の導入について 2005年の賃金確定で導入が決まりました。当面は、係長以上の職員に適用されます。10ページの資料をご覧ください。 (この後に、昇給・成績率要求案、定期評定票、定期評定票2を挿入する) |
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■昇給制度および成績率に関する当局提案(2006年3月3日)
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