給与改定交渉における最終盤の要請
2006年11月20日
千代田区長 石川雅己 様
千代田区助役大山恭司 様
千代田区職員労働組合
執行委員長小林秀治

給与改定交渉における最終盤の要請

日頃の区政運営に敬意を表します。
最終盤の給与改定交渉における組合員の思いを代表して、以下のことを重点に要請しますので、ご理解いただき、統一交渉に反映していただくようお願いします。

一つは、国の制度と同じように、なぜ、地域手当を引き上げるのでしょうか。そもそも、地域差のない特別区に地域手当が必要であることについて、職員は誰一人納得できません。地方が分権を進めている中で、なぜ、国の給与制度と同じでなければならないのか疑問です。職員に理解と納得ある説明を求めるものです。

二つ目は、退職手当制度の改正ですが、一言でいえば、「管理職を優遇する上厚下薄の制度」と考えています。すでに職責で給料に差がついているのに、更に退職手当の算定で差をつけることは二重に格差をつけることになります。このことについて、一般職員は、「お手盛り」ではないかとの批判をもっています。この内容がマスコミに出れば問題になるのではないかと危惧します。
係長への任用が相対的に少ない女子職員や現業職員からすれば、差別的な退職手当制度といえます。こうした制度が将来的に長くもつとは考えられません。ぜひ、提案されているポイントの見直しを求めるものです。

三つ目は、一時金の加算制度について、公民で異なる算定基礎の違いを改善する策として、労使で確認し導入されました。こうした確認を反故にして、級格付者の加算を引き下げたり、技能職1級の3級格付者や2級格付者55歳以上の者から引きはがしたりすることは、一時金の加算措置を役職加算に特化するものであり、既得の権利を奪うものです。この点の見直しを強く求めます。

四つ目は、行政系の任用制度の見直し問題です。組合側は、公務員を取り巻く厳しい情勢の中で、特別昇格廃止を合意することを決断しました。しかし、その前提は、行政系の任用制度見直しが条件でした。私たちは、区政運営の第一線で重要な役割を果たしている主任職・中高年層の処遇は重要と考えています。この層は係長に昇任しなければ昇給抑制年齢に到達する前に最高号給に達してしまい、人事評価がAでも昇給できなくなります。これは、制度上の欠陥です。この層は、人数も多く、モチベーションが下げれば区政運営にも影響が出てくると懸念します。そこで、給料表号給の足伸ばしだけでなく、複線型の係長選考制度にするなどの見直しを強く求めるものです。

以上、最終盤の交渉にあたっての要請です。ご配慮をよろしくお願いします。