2004年度区職労定期大会での区職労委員長あいさつ
定期大会あいさつ(11.27)
区職労委員長 小林 秀治

 代議員のみなさん、お忙しいところ、大会参加ごくろさまです。また、ご多忙のところ来賓でおいでいただいたみなさん、大変ありがとうございます。
さて、今定期大会にあたって、委員長としての冒頭あいさつを申し上げます。
まず、今回の賃金確定闘争の結果についてです。
 今回の到達点は、月例給・一時金の引き下げ、退職手当改悪など、職員の賃金水準が大きくダウンするもので、一時金の加算措置についての次年度改善の検討や福利厚生の充実・年度内活用案策定で、要求の前進を約束させたものもありますが、極めて不満なものです。
こうした私たちにとって厳しい到達点については、政府をはじめとした総人件費削減攻撃、マスコミの公務員攻撃がし烈を極める中で、区長会が私たちの要求を決断できなかったことにあります。
また、不十分な到達点とはいえ、労働組合があったからこそ、改悪を一部押しとどめ、来年度につながる到達点を引き出したことを理解していただきたいと考えています。
区職労は、今確定闘争を教訓に今後も厳しい情勢を切り開いて、来年こそはプラスに転じるように、かつ組合員の切実な生活と権利を前進させるために特区連に結集して奮闘する決意です。
 二つ目は、千代田区政についてです。
石川区政は、「公益通報制度の創設」などの評価すべき若干の施策があるものの、区民や職員の痛みを伴う「区政構造改革」をすすめています。
今年度は、「小学校給食調理民間委託の開始」、「保育園給食調理民間委託の拡大」、「税金をつぎ込んでの認証保育所誘致」、「四番町図書館運営委託」などを進めてきました。
 今後は、「順次全校・全園の給食調理の民間委託」、「保育園の民営化」「学童クラブ・児童館の民間委託」「こども園の拡大」など、「千代田区版リストラ」を新しい公共経営の考え方に基づき、一気に進めようとしています。
5年間で職員の300人削減を進めており、退職不補充、2004年の新規採用はゼロを明確にしています。
 さらに区当局は、2004年度予算編成方針で、人件費を約3億円減らすとして、名誉昇給の廃止、再雇用期間の1年切り下げ、特勤手当の3分の2以上を廃止する提案をしてきています。
 ただでさえ、人手不足の職場では、過重労働が強いられ「これ以上の人員削減がされたらもっと病気が増えるのでは」との懸念の声が上がっています。
また、昇任選考等の能力・成績主義強化と恣意的な実施の強まり、自己申告制度への公務労働にはなじみにくい目標管理型の導入などで、上に忠実な職員をつくりあげようとしています。
さて、こうした攻撃に対する私たちの闘い方ですが、「千代田区版リストラ」に反対する闘争は、単年度での結果にとらわれることなく、長期的スパンでたたかい続けるが大事です。自治体の公共性と専門性を掲げ、政策を対置してたたかい続ければ、展望は開けると考えています。特に、区長が一番嫌がる住民宣伝や住民署名行動を再構築することが重要です。
 いつまでも住民や職員を大切にしない政策が続くはずがないと確信するものです。
 そして、あきらめず、ねばり強く、これまで獲得していた権利・労働条件を守るために、それを奪うものと断固としてたたかうことが労働組合の使命であり、今そのことを実行することが大切になっています。
 石川区政について区職労は、基本的には是々非々で対応していますが、今後、新たな公共経営の手法に対する分析活動を実施し、言うことはきちんと言い、要求を出し、正当な主張を行っていく決意です。そうした中で、区民福祉優先の区政への転換の方向をさぐっていきたいと考えています。
 三つ目は、区職労の組織強化についてです。
区職労組合員が欠員不補充、新規採用ゼロ、年収がマイナスになる状況下でこの間の組合費未納者の増加などで約1000名までに落ち込みました。
組合員数を維持することについて、緊急に手だてを講じなければならない課題となっています。組織強化方針を急いで作成し対応しますが、具体的には、おりにふれて職場オルグを徹底し、組合の重要さを訴えていきたいと考えています。また、執行部の強化はもとより、職層別懇談会などを実施し、木目細かに要求を把握し、その前進に向けて取り組みを強化していきたい考えています。
組合員数との関係では、今後の組合財政の検討が迫られています。組合運動は、共済事業ではありませんが、「いかに組合員に還元をするか」の視点をもって組合運営を行っていきたいと考えています。
最後に、私たちを取り巻く情勢の展望についてです。
 小泉「構造改革」による中小企業つぶし、社会保障制度の大改悪、増税など悪政が行われているもと、また不況化で、これまで政府・与党を支えてきた農協、漁協、商店会、中小企業者、医師会などのなかに、これまでの政治ではだめだという変化が生まれています。
 たとえば、医療制度問題では、医師会などの四団体が政府・与党の方針に反旗を翻し、「3割負担を元にもどせ」と運動を進めています。
 「幼保一元化」保育園の調理室廃止の規制緩和など、保育をないがしろにする政策に対しても日本保育協議会など三団体が反対運動を起こしています。
 地方自治体をめぐっても全国市町村会や町村議長会が市町村合併の押し付けに反対しています。
 イラク戦争に反対する運動は、全世界で広がり、日本では若者にも広がり、平和への関心の度合いの深まり、そして憲法9条の大切さが改めて見直されることになっています。
 小泉「構造改革」のもとで、「賃下げとデフレの悪循環」が進むなかで、マイナス「勧告」は、民間労働者の賃金にも大きな影響を与えていることから、民間労働組合からも大きな怒りが上がり、公務・民間の共同闘争の重要性が出ています。
 このように小泉「構造改革」を中心とした様々な悪政は、労働者・国民に苦痛を与えるものであり、これに対する反発は必至であり、あちこちで反対闘争が起こります。
 自治体労働者の住民サービスの切り捨てに反対するたたかいと働き甲斐を奪う「自治体リストラ」「行政の市場化」に反対する闘いを結合し、住民と地域労働者と共同して闘えば、運動は広がると確信します。
 また、こうした流れの中で、政治が大きく動きます。主体的に私たちが、政治を動かす役割を果たすことが、要求が前進する道であるといえるのではないでしょうか。
以上を申し上げて、大会にあたっての冒頭挨拶とします。
 どうもありがとうございました。