06年旗開きの委員長あいさつ
千代田区職労執行委員長
小林 秀治
 組合員のみなさん、ご来賓のみなさん明けましておめでとうございます。
 新年にあたって、一言ご挨拶申し上げます。
 最近、「この国はどうなってしまうのだろうか」と言う人がいます。犯罪の増加、特に子どもに対する殺人、自殺者の増加、ニートや非正規雇用労働者の増加、所得格差の増大、大学を出てもいい働き口がないなどなど、社会が急速に悪くなっていると感じており、展望がわかないのが原因だと思います。
 私も日本社会が労働者・国民の立場からみて、急速に悪くなっていると感じています。
しかし、悲観ばかりはしていられません。新年の始めですので、将来展望がないのか考えてみたいと思います。
 まず、労働組合運動についてです。労働組合の力が大きく減少し、労働組合はいずれなくなるのではないかと思われていますが、今年は、労働組合が役割を発揮し、春闘で闘えば、労働組合運動にとって大きな転機になると思っています。
 この間、労働者の賃金は切り下げられてきましたが、大企業が空前の利益を上げるもとで、今年は、連合も全労連も賃上げや増税・医療改悪反対を掲げて闘うことになり、財界の側に攻勢をかけようとしています。これに対し、政府・財界は必至に賃上げ抑制を図ろうとしています。労働組合が労働者の生活と権利を守り、労働条件の改善を図るという本来の役割を発揮して闘えば、前進が大いにあり得る、展望はあると思います。
 次に、「官から民へ」「大企業のための規制緩和路線」「構造改革路線」が、国・地方をあげて進められていますが、その流れが破綻し始めていることです。
 耐震強度偽装事件やJR西日本の大事故は、私たちの命と安全を脅かす深刻な事態を作り出し、「何でもかんでも民間に任せてよいのか」という、社会的な批判が広がりつつあります。区職労は、規制緩和万能主義への疑問、公共性のある仕事を民間に任せてよいのかと問い続けてきました。これからもその問いかけは、職場から発し続けたいと思います。 さて、今年の取り組みは、賃金闘争はもちろんのことですが、国民の中に対立をあおり、分断をはかる公務員攻撃に反撃をしていくことが重要と考えています。この間、公務員は、減らされ、人口千人当たり35人程度です。フランスやアメリカ、イギリスの半分です。公務員を減らし財政赤字を減らすといいますが、この間一貫して財政赤字は増加しています。これ以上公務員を減らせば、公共サービスはさらに削られていくことになります。公務員バッシングは、国民への更なる負担を覆い隠すものであり、全ての労働者、国民にかけられている攻撃に他ならないと思います。
 今年は、憲法問題でもその取り組みが重要ではないでしょうか。国連を中心とした平和のルールをつくる上で、憲法9条が国際的にも注目を集めています。私たちの生活基盤を守り続けるためにも戦争しない国、日本を維持し続けなければなりません。そのための保障が憲法9条を変えさせないことです。今年も皆さんと共に9条を守る決意を表明したいと思います。
 今年が私たち働くものが元気の出る社会に一歩でも近づくよう期待して、新年のご挨拶と致します。
 また本日は、わたしたち組合員の手作りの料理をお楽しみください。どうもありがとうございました。