千代田区職労当面する方針(03年9月〜11月) | |||||
1. | 当面する情勢の特徴 | ||||
(1) | 公務員賃金が狙い撃ち | ||||
今、経済長期不況のなか、公務員賃金が狙い撃ちされています。 まず、退職手当の切り下げ問題です。国家公務員は、今年春の第156回国会で、退職手当が削減されました。このことを受けて区長会は、退職手当見直し・削減を示唆しいます。 次に、名誉昇給の廃止・見直し問題です。この問題でマスコミは、労使双方に取材を行い、見直しの世論をつくりあげました。また、この取材で「名誉昇給は見直す」旨の千代田区長発言が掲載され、労使交渉を無視した独走ぶりがまたも示されました。これに対し、さっそく区職労は、抗議しました。 また、月例給与は、八月の人事院勧告で、平均1・07%、4054円のマイナスが出され、公務員全体の基本賃金がマイナスとされる状況です。一時金も0.25月引き下げ勧告されており、区勧告への影響が必至の状況です。。 こうした、5年連続のマイナス賃金にストップをかける賃金闘争が、統一交渉及び区当局を相手にした区職労交渉で、職員の世論を背景にした奮闘が求められています。 |
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(2) | 政治の流動化 | ||||
私たちの生活と深い関わりのある政治も昏迷の度合いを深め、政治の流動化が進もうとしています。しかし、小泉首相は、消費不況を改善しようとせず、弱肉強食の経済政策を続けています。経済政策をめぐっては、自民党の中からも、「もっと消費を拡大する政策を行うべき」との批判がだされています。 そして、平和の問題でも、戦争状態にあるイラク派兵を強行しようとし、第9条を中心とした憲法改正も検討をはじめようとしています。 しかし、対抗する野党も一致できていなのが現状ですが、衆議院選挙が間近のもと、国民の側に立った政策、特に社会保障や福祉の充実を実行する政党、政府が求められています。 |
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(3) | 区政をめぐる状況 | ||||
千代田区政をめぐっては、石川区長の一言で区政の方向が決まるという強引な手法がますます顕著になっています。 新庁舎建設問題では、いまだに区民の間には、「なぜ、借地なのか」「最終的に建設費はいくらになるのか」などの疑問がだされており、問題を残しています。 区長は職員の意見をほとんど聞かない区政運営を進めており、こうした事に対する管理職をはじめとした多くの職員の不満が溜まってきています。しかし、区長に対してものを言える職員はほとんどおらず、「何をいっても無駄だ」「意見を言えば何らかの跳ね返りがある」などの雰囲気が職場に沈殿し、イエスマンだけが生じてくる状況は、区政にとってマイナスとなるものです。 このような時にこそ区職労が職員の代弁や区政に対して意見を述べなければならないのですが、それすら時間内組合活動の大幅な制限等を利用して、露骨に抑制しようとしてきています。 また、職員を差別・選別する人事制度がいっそう強められようとしています。まず、自己申告制度に目標管理型を導入し、目標の達成度に応じて差別し、定期評定制度と合わせて人事考課制度の成績主義強化を行いました。しかし、この成績主義人事管理は、多くの民間会社でも問題が指摘され、見直されているものを、これから実施するというもので、職員の間に矛盾を起こさざるを得ません。 さらに、成績特別昇給制度の実施における面積率が三短換算で22%から40%に拡大できることになりましたが、成績優秀な者を特別に昇給させるのだから、付与率が下がるのは当然との考え方を示し、付与率15%に縮小した提案を行い、職員間の競争を強めようとしています。 昇任選考にあたっても、「成績優秀な者を選考するのが当然」と公言し、時に、主任主事選考の「実務経験重視の選考」するとの確認事項を無視するような発言も行っています。 名誉昇給制度については、制度の内容自体に問題はないのに、制度の全廃を提案してきました。 |
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2. | 具体的な取り組みについて | ||||
(1) | 職場要求の実現をめざす取り組みについて | ||||
@ | 集約された職場要求に基づく「区職労統一要求」を確立し、9月中旬に当局に提出します。 | ||||
A | 分会要求については、原則的に「区職労統一要求」とともに当局に提出します。集約中の分会については、集約を促進し、すべての分会の提出をめざします。 | ||||
B | 要求実現をめざし、10月の早い時期に団体交渉を行ないます。 | ||||
(2) | 生活実態に見合った賃金改善等を求めるとりくみ | ||||
@ | 労働者の賃金を低く押さえる役目を果たす国人勧を批判し、大都市で暮らせる賃金を求めていきます。 | ||||
A | 多くの組合員がとりくみに参加できるよう、学習・宣伝活動を強化します。 | ||||
B | 03確定闘争のとりくみについては、以下の課題を中心に特区連に結集してたたかうこととし、具体的なとりくみについては別途提起します。 | ||||
ア. | 2003年の賃金改善は大都市東京の生活実態に相応しいものとすること。 | ||||
イ. | 業務職給料表については、行(一)横引き体系を引き続き堅持すること。 | ||||
ウ. | 扶養手当支給額と不要認定限度額の引き上げを行うこと。 | ||||
エ. | 住居手当について、住居費支出の実態を踏まえた抜本的な改善を行うこと。 | ||||
オ. | 通勤手当の限度額の引き上げを行うこと。 | ||||
カ. | 一時金の公民比較ベースの改善を行うこと。 | ||||
キ. | 一時金の「加算措置」の適用範囲の拡大と加算区分の改善を行うこと。 | ||||
ク. | 勤勉手当を廃止し、期末手当に一本化すること。 | ||||
ケ. | 昇任・昇格制度の改善をはじめとした賃金決定基準の改善をはかること。 | ||||
コ. | 労働時間短縮の促進・休暇制度の拡充をはかること。 | ||||
サ. | 福利厚生制度の充実をはかること。 | ||||
(3) | 昇給制度全体の改善をもとめるとりくみ | ||||
@ | 02確定闘争で拡充された成績特昇については、「現行制度を基礎」とした経緯を踏まえ、付与率の拡大をめざします。 | ||||
A | 昇給停止者に対する成績特昇が実施されるよう求めます。 | ||||
B | 廃止が提案された「名誉昇給制度」については、存続をめざします。 | ||||
(4) | サービス残業根絶のためのたたかい | ||||
@ | サービス残業の改善に向けては、ノーペイ・ノーワークの原則を職場に徹底し、縮減に向けた具体的方策を協議していきます。 | ||||
A | サービス残業が明確な職場については、解決をめざして交渉をすすめます。 | ||||
B | 「ノー残業デー」の結果についての総括を求めます。残業が生じている原因を解明させ、必要な人員配置などを要求していきます。 | ||||
C | 来年度予算に必要な財前の確保を求めていきます。 | ||||
(5) | 人事任用問題のとりくみ | ||||
@ | 主任主事・係長選考制度の公平・民主的で差別・選別のない実施を求めて交渉します。 | ||||
A | 事業部制導入による差別・選別が行われないよう求めていきます。 | ||||
(6) | 組織強化のとりくみ | ||||
@ | 様々な理由から未加入となっている組合員に対する組合加入の呼びかけを強化します。 | ||||
A | 分会・部会の機関活動に対する援助を強めます。 | ||||
(7) | 定期大会の成功に向けたとりくみについて | ||||
@ | すべての職場からの代議員選出を追求します。 | ||||
A | 大会議案について、早めに職場回覧し、十分な議論を保証します。 | ||||