回覧
 2月22日、第1回区職労委員会が開かれ、下記の05区職労春闘方針が決まりました。
 職場、分会、部で回覧していただき、取り組みの指針にしてください。

2005年度区職労春闘方針(2月から5月までの活動計画)
はじめに
2005年度区職労春闘方針案を以下の通り提起します。この方針案は、2月から5月までの具体的な活動計画です。従って、基本的な情勢分析や取り組みは、2005年度区職労運動方針に記述してある通りです。
ここでは、春闘に関わる若干の政治・経済情勢を記述します。

05春闘をとりまく情勢の特徴
1、 ブッシュ再選とアメリカ政府追随の小泉内閣、緊急の課題となっている憲法改悪阻止の取り組みについて
(1) 再選されたアメリカのブッシュ大統領の就任演説で「自由と民主主義を守るために軍事力を行使する。必要とあらば、私自身と友人を軍事力で守る」と軍事力中心の世界秩序を展開することを強く表明しています。
小泉首相は自衛隊のいる場所は「非戦闘地域」と国民を欺き、国会での議論を経ずにイラク国民を敵に回す自衛隊の駐留延長を決定しました。撤退表明をする国が相次ぎ、どんな紛争でも平和的に解決するのが世界の流れとなっている中で、あくまで軍事力に頼り一方的に押し付けるブッシュ政権に追随する小泉内閣の政策は孤立化を強めるものとなっています。
(2) 「海外で戦争する国」に日本をつくりかえることが憲法改悪の最大の狙いです。アメリカ政府が公然と改憲を要求し、自民党、民主党とも改憲案を今年中にまとめるとし、公明党も9条を含めた「加憲」を打ち出しています。憲法を守る闘いはまさに「日本の戦後史」をかけた課題となっています。
一方、国民世論は「環境権」「情報公開」などの条項が欠けているとのマスコミ情報操作の影響もあり、「憲法改正」に賛成が過半数を超えるとする調査(「朝日」2004年5月1日付)もあります。しかし、「9条改正」については6、7割が反対を表明しています。1999年「ハーグ平和アピール会議」や2000年国連ミレニアム・フォーラムで日本の憲法9条に述べられている戦争放棄の原則を自国の憲法に採用するという確認にみられるように、9条は世界共通の目標となりつつあります。

2、 消費税増税、雇用の破壊など、小泉「構造改革」のもとでの国民・労働者の状況
(1) 昨年10月より強行実施された「改悪年金法」に続いて、介護保険の保険料徴収対象者の拡大やサービス利用率の引き上げなどを内容とする改悪法案が準備されています。医療でも株式会社の参入や混合診療制度など、規制緩和と民間開放を進めようとしています。消費税についても。自民・公明の与党と民主党が07年度をめどとした大増税で合意しているため、財政赤字、福祉目的などを口実としてマスコミキャンペーンが行われており、率の多寡だけを論じ、増税やむなしの世論操作が行われています。
不況を打開し、景気回復を実現するには、国民の大多数を占める労働者の賃金を引き上げ、個人消費を拡大することが一番の早道です。
(2) トヨタ自動車の年間純利益1兆1620億円に代表されるように、大企業は過去最高の利益を上げています。一方で、三菱自動車欠陥車に示されるように大企業のモラルの急激な低下が社会的な大問題となっています。その背景には労働者を犠牲にして雇用と賃金を破壊する攻撃があります。
さらに、労働者に対して「裁量・派遣労働の対象業務拡大」、労基法の8時間労働原則・労働時間規制をホワイトカラーから外し、残業代を取り上げる「ホワイトカラーエグゼンプション」「金銭支払による雇用の終了」など、労働法制の改悪を進めようとしています。

3、 「NPM行革」、三位一体改革など、自治体をめぐる動向
(1) 自治体の状況はどうでしょうか。本来の責務を投げ出し、自治体の仕事を民間企業に明け渡してしまう「NPM行革」の嵐が全国の自治体に吹き荒れています。「規制改革・民間開放推進会議」は「市場化テスト」を積極的に導入させようとしています。「市場化テスト」とは、官と民が競争入札を行い、落札した方が公共サービスを担うという仕組みのことですが、自治体としての役割、公務や公共性を全く無視した新しい自治体リストラの手法です。
(2) 「NPM行革」といえば、東京はその最先端を走っているといっても過言ではありません。23区でも「NPM型の行革計画・方針」が次々と打ち出されています。特に指定管理者制度は「使い勝手のよいリストラツール」として、様々な分野で導入・計画がされています。
その中で、保育園等の民営化の動きの中で住民との共同が広がり、当局の提案が変更されたりするなど、区当局の策動と住民との間に矛盾が顕著になっています
(3) 「三位一体改革」の狙いが国の歳出削減にあり、暮らしと地方財政にしわ寄せする「改革」であることが日増しに明らかになっています。人事院は11月2日、@全国共通の給料の水準を切り下げ、地域の民間賃金に応じて20%を上限に地域手当を新設し、現行の調整手当は廃止する、A級間の水準差の拡大や昇給カーブのフラット化をすすめるとともに中高年層は、地域調整のために一律引き下げと併せてさらに均衡を図る、B普通昇給や特別昇給を廃止し、「査定給」制度を導入するとともに、昇給幅の細分化を図り、昇給を年1回とし、枠外昇給を柱とした「給与構造の見直し(素案)」を正式に提案してきています。

4、 2005春闘の課題と区職労の基本的方向
今、「構造改革」の名で政府・財界の総攻撃により、賃金・雇用破壊や年金・医療を始めとする社会保障制度の改悪、憲法改悪の企みなど、日本の国の本質が変質させられようとしています。05春闘は、こうした攻撃に対して、国民・労働者が力を集中させる取り組みでもあります。
社会保障制度改悪に対し、従来は保守的といわれてきた医師会などの団体、個人からも大きな批判、反対運動が起きています。さらに「三位一体改革」に異を唱える首長や地方団体の動きもあります。
小泉構造改革による国民との矛盾は激化しており、「九条の会」の運動に見られるように国民との共同闘争として発展させる展望のある春闘でもあります。
賃下げ、労働条件の切り下げ、解雇など、自治体に働く労働者を取り巻く情勢は日を追って厳しさを増しています。この攻撃を跳ね返す上でもっとも重要な取り組みが組織強化と共同闘争です。
千代田区職労は、地域・産別はもちろん国民的共同行動に積極的に参加するとともに、千代田区の課題については、中心的役割を担っていくことが求められています。

具体的な取り組み
1、 情勢の学習を行います。
春闘情勢(2月16日)、憲法問題(3月)、自治体リストラ(市場化テスト問題など)(4月)などについて、学習会を行います。
2、 産別・地域の春闘に参加し、賃金、社会保障の改善をめざします。
@ 賃金・雇用破壊に反対するなどの全国民・労働者の要求を掲げ、公務と民間の連携した賃金闘争をすすめる2005年春闘に積極的に参加します。また、産別の行動に参加 します。
A 定率減税廃止、消費税増税などの税制改悪、介護保険・年金・医療を始めとする社会保障制度の改悪に反対してたたかいます。また、具体的に廃止や改悪が日程に上っている課題については、具体的にピックアップし、住民宣伝や区職労ニュース等で宣伝していきます。
B 千代田春闘共闘会議の行動に参加し、地域から春闘をたたかいます。
3、 職場要求闘争の前進をめざします。
@ 組織整備、人員配置、昇任選考、級格付け、特別昇給、現業系人事制度などの諸課題 について、交渉で前進をめざします。特に、組織整備と人員配置については、当局提案 が遅く、提案から職場討議や交渉期間がほとんど取れなかったことを踏まえ、遅くとも 3月上旬には提案するよう求めていきます。
A 組織整備・人員配置については、担当者やトップダウンによって決定していくのでは なく、関係職場の意見や疑問を踏まえたボトムアップ形式になるよう、職場単位で関係 職員が直接・間接を問わず、日常的に参加できる職場での検討会を設置できるように援 助していきます。
B 新規採用については、一律に抑制する当局方針を変えさせ、職場の活性化や年齢構成 など将来を見据えた人員計画になるよう、新規採用を徹底追及していきます。
C 全職場での育休任期付職員採用制度の導入を求めていきます。
D 人事異動に関わる大会決定に基づき、公平・民主的な人事異動の実施を求めていきま す。また、ドラフト制度のやり方、基準を明らかにさせていきます。
E 再雇用・再任用の制度改悪をさせず、希望者全員の雇用を求めていきます。
F 賃金不払い残業の根絶に向けて、区当局を追及していきます。
G 次世代育成支援対策に関わる「特定事業主行動計画」策定について、交渉で確定させ ます。
H 現業系人事制度について、現業組合員全員集会(2月中旬)を開催し、現業系人事制 度の到達点を徹底します。
4、 区がすすめる「NPM行革」に反対し、その問題点を広めます。
@ 第2次行革大綱の問題点について、住民宣伝を実施します。
A 「NPM行革」の問題点について、区職労ニュース等で明らかにします。
B 指定管理者の導入状況を把握し、その問題点を指摘します。
C 17年度区予算を分析し、コメントを発表します。
5、 区政の民主化をめざします。
千代田区長選挙について、別途方針の通り取り組みます。→既に選挙は終了していることから。今後の対応について執行委員会で検討しニュース等で発表していきます。
6、 憲法と民主主義擁護の取り組みをすすめます。
日本の憲法は、基本的人権の尊重や地方自治の原則、生存権、思想信条の自由、職業選択の自由、学問の自由など、世界でも最も優れた条項を持つ憲法とした高く評価されています。また、9条の徹底した平和主義の原則は、国連が目指す世界秩序を具体化した条項として今光輝いています。
しかし、日本の国家権力とアメリカ帝国主義は、この、平和的・民主的条項を破壊し、戦前のような独裁的強権国家を作ろうとしています。その、最大の障害が、9条なのです。従って、9条改悪を許すことは、現在の憲法を180度転換させることにつながります。だから、私たちは、9条を守るためにたたかう必要があります。特に私たちは公務員ですからさらに、憲法を守る義務が課せられています。
区職労は以上の前提を踏まえて、全力で9条改悪阻止のためのあらゆるたたかいに参加し、学習し、継承していきます。
@ 北朝鮮の核武装宣言を利用した軍備増強論の危険性をつかみ、平和的原則での問題解決のために働きかけていきます。
A 自衛隊のイラク派遣を即時終了させるため、様々な運動に参加していきます。
B 9条の会に積極的に参加し、改憲派を包囲するための運動を行っていきます。
C 節目を迎える、3・1ビキニデーや東京大空襲などをテーマにした平和集会に積極的に参加していきます。
7、 区職労の組織強化をめざします。
@ 「区職労の組織・財政の中長期プラン案」の職場討議を促進します。
A 当面の組織強化方針に基づき、組織強化を進めます。
8、 スト権を確立します。
自治労スト批准投票を実施し、賃金闘争に対するスト権の確立をめざします。
9、 3月に実行委員会を結成し、5月1日の第76回メーデーの参加組織行います。
10、 区職労春闘討論集会(闘争委員会)を2月16日、午後6時から開催します。
11、 組合員向けアンケートを実施します。
組合員の意識や職場実態を把握し、運動に反映させるためアンケートを実施します。
実施時期やアンケート項目については、執行委員会での討議を経て決定しますが、メーデー終了後の実施で調整していきます。
以上