2006年区職労春闘方針(1月から5月までの活動計画)
2006年1月
今年こそは賃上げを!
はじめに
06春闘はどういう春闘をめざすのか
@ 政府・財界が2007年をめざして「憲法9条改悪」、「大増税」を狙う中、くらしと平和を守るために、それに真っ向から反対していく春闘です。
A 大企業の社会的責任(CSR)を追求し、今年こそは賃上げで大きな成果を勝ち取り、青年や非正規の雇用や賃金を確保する春闘です。
B 小泉内閣の「小さな政府論=公務員の削減、大きな国民負担」「公務員給与構造改革」に反対し、国民が安心できる公務・公共サービスをめざす春闘です。
C 「官から民へ」「小さな政府」への流れと格差拡大社会の拡大にストップをかけ、福祉国家の展望を見い出す春闘です。
区職労は、こうした06春闘に参加し、春闘の前進をめざします。

1、 春闘をめぐる情勢
@ 日本経済はよくなっているのか
春闘の行方に日本経済の状況が大きく関わります。東京証券取引所一部の上場企業の多くは、2006年3月期決算で増収増益が見込まれています。特にトヨタ自動車の連続1兆円をはじめ、大銀行など大企業各社がバブル期を上回る空前の利益を上げています。また、大企業は、83兆円もの内部留保を抱えており、賃上げが十分できる状況にあります。しかし、一方では、労働者の賃金水準は連続ダウンし、貧困と格差が広がり、中小企業の多くは経営難にあえいでおり、二極化が進んでいます。
不安材料は、米国経済の腰折れや原油価格の再上昇、そして、好転の兆しを見せはじめた内需が再び冷え込むことです。
そうさせないために、大増税や医療改悪などの負担増をやめさせ、労働者が賃上げを勝ち取り、内需を拡大することが重要なのです。
A 財界の春闘対策
2005年12月13日に、経団連は、春闘対策としての「経営労働政策委員会報告」を出しました。それによると「公正に競争し、人間尊重」を強調しました。しかし、日本の大企業は、この数年「人間尊重」とはまるで無縁の雇用破壊を進めてきました。
さらに、労働分野での規制緩和と更なる民間開放を迫っています。そして、「企業が本来の力を発揮してより自由に活動できるため、規制改革、行財政改革による民間への一層の機会拡大(市場化テストなど)や、公務員制度改革を急がなければならない」と述べています。
「横並びで賃金水準を底上げする市場横断的なベースアップは、もはやありあえない」と春闘型賃上げを真っ向から拒否し、春闘解体を狙っています。要するに、賃金抑制、コスト削減を基本にし、労働者をもっと働かせるべきだという搾取の論理に立っています。
こうした内容の「報告」は、「大企業栄えて民滅ぶ」にしかなりません。
大企業が空前の大もうけを続ける中で、06春闘では、大企業の社会的な責任を追求し、正当な労働者の賃上げ等の要求を掲げてたたかうことが重要です。
B 国民のくらしは
この間、労働者の収入が減って負担は増え、実質賃金が大きく低下しています。2004年の実収入は1995年よりも月4万円も減少し、社会保険は大幅に増えています。
こうした中で、定率減税の全廃、給与所得控除の半減、配偶者控除と扶養控除の廃止が行われようとしています。もし、これらの増税が実行されると、年収500万円で年間42万円の増税になります。また、消費税増税も企まれています。
さらに、医療制度の改悪が2006年の通常国会に出されようとしています。医療制度の改悪は、医療費を抑制することを目的に、国民・患者に給付削減と大幅な負担増を求めるものです。こうした医療制度改悪は、病気の早期発見・治療を妨げ、お金がなければ医療が受けられなくなるものです。
労働者・国民の負担増は、購買力を低下させ、景気を冷え込ませることにつながります。増税、医療改悪反対で06春闘をたたかうことが重要です。
C 公務員賃金削減攻撃
今、公務員賃金削減が政府・財界の最大の攻撃として行われています。公務員を減らして消費税を導入することや財政赤字を減らすことを目的としています。
しかし、この間、日本の公務員は減らされ続け、人口千人当たり35人です。フランスやイギリス、アメリカの半分程度です。決して、日本の公務員は多くはありませんし、これ以上減らすこと自体、国民サービスを低下させるものです。また、公務員を減らしているのに、財政赤字は減るどころか、増加しています。
公共事業などの無駄を省くことこそ、財政再建につながるものです。
D 憲法改悪のための国民投票法案
 自民党が昨年10月「新憲法草案」を発表し、9条を変え、日本を戦争のできる国にしようと宣言しました。
 そして、国民投票法案で国民の憲法9条を守ろうとする運動を押さえ込もうと動き出しています。
 生活の基盤と平和を守るために、9条改悪反対でたたかうと同時に、職場に9条の意義を広めていくことが大変重要となっています。
E 「たたかえば前進する」、「動き出せば何かが変わる」
不況下の厳しい春闘でも、要求をあきらめずにたたかった労働組合は成果を獲得しています。労働組合の道理ある要求と姿を地域・住民に示すことが重要です。だからこそ、地域で官・民がともにたたかうことが重要です。
特に、今年は、公務員攻撃がさらに吹き荒れる年になると予想されます。そういう時こそ、中に閉じこもらないで、公務員への攻撃は国民サービスが低下するもので国民への攻撃だということを訴えていくことが重要です。
今春闘は、日本社会全体に「06春闘では賃上げは当たり前」という世論ができつつあります。全労連は、これまでも毎年賃上げ要求を掲げ、粘り強く闘ってきていましたが、久々に連合も賃上げ要求を掲げて闘う状況が生まれています。こうした有利な状況を生かし、国民全体で闘うならば、賃上げの展望があることに確信をもちましょう。

2、 区職労春闘の取り組み

区職労の06春闘の具体的な取り組みについて、以下、記述します。
@ 公務員賃金削減に反対し、賃金引き上げをめざす
06賃金・労働条件改善要求書を提出する。
公務員賃金削減攻撃の実態や政治・経済情勢について学習する。
賃金引き上げをめざし、地域で民間労働者と共に春闘に参加する。
05賃金確定闘争の到達点を学習する。
A 増税に反対する
定率減税の全廃など、増税に反対する。
B 労働法制の改悪に反対する
労働契約法に反対する。
8時間労働性を崩す労働時間制度の改悪に反対する。
C 憲法9条を職場の中へ
憲法9条を職場の中に広める。
区役所9条の会と連携し「憲法学習会」を開く。
国民投票法案に反対する。
3月4日から5日、憲法講座に参加します。
D 06職場要求の前進めざして
人員配置闘争に取り組む。人員増を求める職場・分会の要求前進をめざす。
民主的な昇任選考、級格付け、特別昇給の実施を求める。
不払い残業問題の改善めざす。
メンタルヘルス対策要求書をまとめる。
現業職の異職種・異職務従事及び異動に関する要求の前進をめざす。
公正な人事異動を求め、異義申し立てを行わせる。
組織改正の民主的討議を求める。
E 民営化反対闘争
学校給食等の民営化問題で直営を残すよう求めていく。
保育園、児童館等の民営化問題で住民宣伝を検討する。
保育園の民営化問題で学習会を行う。(1月23日、保育園分会主催)
F 新たな人事評価制度の確立に向けて
新たな人事評価制度の確立に向けて要求をまとめる
成果主義型賃金、人事評価制度についての学習会を行う。
G 特別区互助組合、互助会事業の改悪に反対する
特別区互助組合の公費負担全廃に反対し、事業存続を求める。
互助組合の公費負担削減に反対し、事業の改善めざす。
H 区政問題
06区予算に対するコメントを出す(2月下旬)
特別区制度調査会の報告を学ぶ。特区連自治研究集会へ参加する。(5月)
富士見こども園問題に対応する。
富士見総合施設計画に対応する。
規制緩和問題に対応する。
I 新庁舎問題に対応する
総合窓口システムなど新庁舎の新しい体制について、協議を求めていく。
新庁舎における出退勤管理などの協議を求めていく。
J メーデーの成功に向けて
5月1日、月曜日のメーデーの成功に全力を尽くす。
K 知を力にする(学習する)
知を力にするために、重要な区職労課題について学習会を行う。
1月23日 保育園分会学習会「保育園の民営化の実態」(仮題)
1月26日 八千代会、再雇用部会主催の健康講座
「あなたも100歳まで生きられる」
2月16日 春闘討論集会での学習会「春闘をめぐる政治・経済情勢」
「05賃金確定闘争の到達点」
2月28日 「メンタルヘルス問題にどう対応するか」
4月 「成果主義型賃金制度の問題点」「新たな人事評価制度の確立に向けて」(都庁職に学ぶ)
5月 「憲法9条をめぐる情勢」
L 送別会や福利事業等の実施
2月4日 味噌作り講習会(船橋産直センター)
2月8日 確定申告相談会
3月3日 退職者歓送会
3月10日 再雇用・再任用満了者送別会
4月 竹の子掘りツアー
M 団結を固め、たたかう意識をつくる
2月下旬にスト批准投票を実施する。
2月16日に区職労闘争委員会(春闘討論集会・春闘学習会)を開く
N 組織を強化する
新たな部会制づくりを始める
4月、5月を組織強化月間とする。新入職員と新たな再雇用・再任用職員の全員組織化
非組合員へ復帰に向けた手紙を送る
O 職場に情勢などを宣伝する
春闘情勢など、職場に、区職労ニュース、かべ新聞、区職労ホームページを使って情報を提供する。
P 組織財政検討委員会をスタートさせる。
Q 06職員生活実態等アンケートを準備する。
以上