07区職労春闘方針
企業の社会的責任を果たさせ賃金引き上げを
守ろう平和、なくそう格差と貧困
(区職労春闘方針・07年1月から5月の行動計画)
2007年2月
千代田区職員労働組合
 07年千代田区職労運動方針にもとづき、千代田区職労春闘方針・07年1月から5月の行動計画を下記のとおり提起します。

1、 はじめに
この方針は、07年1月から5月までの区職労の具体的な活動を提起するものです。
2、 取り巻く情勢
@ 生活防衛に今こそ賃上げを、格差社会の是正求める

史上空前の利益と賃金ダウン
法人企業統計によると、05年度の企業の経常利益は51.7兆円と2年連続してバブル期を大きく突破している。06年度も全産業で15.5%増(7月から9月期)の利益を上げている。
この好景気を反映して、大企業の役員報酬はわずか数年で2倍近くに膨れ上がった。
ところが、労働者の賃金は右肩下がりである。平均給与は、97年から8年連続ダウンし、年間30万円も少なくなっている。(資料1.参照)この影響は、公務員も同じである。
業績に見合った賃上げは当然である。07年春闘ではベアを強く要求していくことが重要だ。

企業には減税、庶民には更なる負担増
消費税導入以降、税率引き下げなどで企業側が免れた法人税は160兆円にもなる。ところが、国際競争力維持を口実に政府税調や財界は、更なる法人税減税を求めている。
庶民には、消費税率を7から8%に引き上げるよう要求している。消費税論議は、秋以降というが、07年春闘で負担増を押し付ける政治に待ったをかけることがとても重要である。(資料1.参照)

社会不安高める労働ビッグバン
経済開発協力機構の調査では、日本の貧困率は先進国中ワースト2位である。所得格差も年々拡大している。
格差が拡大していくことで、多くの人が不安を感じ始めている。じわじわと、日本は、適切な医療や介護を受けられない人が増加し、犯罪が増えて治安が悪くなっている。財界が主張する労働ビッグバンは、派遣や有期雇用の規制緩和をさらに進め、非正規雇用を拡大させるのを狙っている。これは、格差拡大と貧困を深刻化させるものである。07春闘の大きな課題である。(資料2.参照)

格差社会是正が焦点
今、東京都の生活保護基準は、単身者で月約14万2000円ですが、時給労働者は、これ以下の水準にされている。
今春闘は格差是正ということで、労働界が一致して、時給1000円以上を求めている。これで、月17万6000円、年200万円程度になる。これでもOECD基準の貧困ラインの約231万円にはまだ及ばないが、第1歩を進める上で、今春闘の重要課題となっている。(資料3.参照)
A 07年度政府予算案批判
 12月24日、政府は、来年度予算案を閣議決定。経済成長、国際競争力を口実に、大企業に減税、大型公共事業重視で財界の要望に応えたものとなっている。一方、庶民には、定率減税廃止、社会保障改悪となっている。一般会計規模は、82.9兆円、4%増となっている。一般歳出は、47兆円、地方交付税等14.9兆円、借金返済(国債費)が21兆円となる異常なものとなっている。歳入の税収は、16.5%の伸びで53.5兆円、新規国債発行は減るものの25.4兆円となっている。
 財界には、減価償却制度の拡充で6000億から7000億円規模、証券優遇税制の延長との合計で1兆円規模の減税措置。庶民には、定率減税全廃、高齢者への住民税増税、国民年金・厚生年金保険料引き上げ、高齢者の介護保険料引き上げ、高齢者の国民健康保険料引き上げなど犠牲を強いるものである。07春闘で更なる負担増に反対していくことが重要である。(資料4.5.参照)
B 労働法制をめぐる状況
 07年の通常国会には、労働に関わる法案が集中的に提出される。その一つに、エグゼンプション制がある。エグゼンプション制は、一定範囲の労働者を対象に、労基法の労働時間ルールをはずすものである。労働者を何時間残業させても、経営者は一切残業代を払わなくてもよくなるものである。つまり、不払い残業の合法化といえる。財界の強い要求を受けて政府が、ホワイトカラーエグゼンプションとして導入しようとしている。
労働総研の試算では、労働者が失う残業代は、一人平均114万円。(資料2.参照)この制度の導入には労働界あげて反対している。国会内外のたたかいでこの悪法を闇に葬ることが必要である。
1月16日、政府は、ホワイトカラーエグゼンプションについて、国民の理解が得られていないとして、通常国会への提出を見送ることとした。これは、我々の運動の成果でもあるが、与党の選挙対策とも言える。法案を断念するまでたたかうことが必要である。
C 千代田区政の状況
来年度予算がまもなく発表されるが、相変わらず、積立金は1年間の予算に相当する額を残しながら、区民サービスを圧縮し、また、現場の状況を無視して人件費削減を行う内容となっている。しかし、一方で、子どもの医療費助成の拡大は、区民の強い要望と23区で千代田区だけが取り残される状況から実施に踏み切った。昨年実施した次世代育成手当との関係整理が求められる。また、町会への新たな補助金など、選挙目当ての要素が強いものが出てきたり、麹町保育園の民営化発表を選挙後に遅らせる状況もある。この時期に民営化の問題点を区民に知らせ、父母との共同行動を追求していくことが必要である。
D 厳しい状況の中前進面もある
偽装請負が発覚した職場では、非正規労働者が声を上げ、法律に基づいて、正規社員にするよう要求し、全国で1万人以上の正規化が図られている。
また、ファーストフードすきやなどの従業員が5000人以上の不払い残業を支払わせている。
こうしたことは、勇気ある一部の非正規労働者が声を上げてはじめて実現しているものである。
ホワイトカラーエグゼンプション問題でも、労働者、労働組合が、「過労死促進法だ」、「残業代支払わない法律だ」などの声を上げて、今年の通常国会提案を見送らせている。
憲法9条を守る運動でも、千代田区役所憲法9条の会ができているように、全国的に、憲法9条を守る会が5600団体を超えて広がっている。
こうした、行動をすれば、変化が起こせることに確信を持って今春闘をたたかうことが重要である。
3、 具体的な取り組み
1、 07人員配置の取り組み(2月、3月)
総合窓口や保育園、児童館、学校用務職場、必要な職場の人員確保をめざし、要請行動や交渉を展開します。
2、 昇任、昇格、昇給の民主的、公平な実施を求める取り組み(1月、2月)
@昇任率を確保し、昇任枠を広げるよう求めていきます。
A妥結した昇格率を確保し、かつ廃止を踏まえた昇格を実施するよう求めていきます。
B妥結した昇給内容を守らせ、公平な実施を求めていきます。
3、 不払い残業根絶の取り組み(1月、2月、3月)
@不払いのあった職場を当局に示し、その支払いを求めていきます。
Aこの期間、不払い残業根絶キャンペーンを行います。
4、 旅費見直し問題の取り組み(1月19日まで)
旅費の見直しについて、職場の意向をもとに対応します。
5、 再雇用報酬問題の取り組み(1月)
再雇用報酬の引き下げに反対して、要請、交渉を行います。
6、 休暇の前進をめざす取り組み(5月)
07区職労統一要求の到達点をもとに、夏季休暇、リフレッシュ休暇、次世代育成支援に関わる休暇等の前進をめざします。
7、 組織整備に対する取り組み(1月、2月)
組織整備案に対する区職労見解を発表し、かつ職場の要求について当局に要請します。
8、 人事異動に対する取り組み(3月)
@適材適所、民主的な人事異動の実施を求めます。
A人事異動の異議申し立てを実施させます。
9、 区予算案に対する取り組み(1月末)
07区予算案に対する区職労コメントを発表します。
10、 時間内組合活動に関わる協議(1月、2月)
時間内組合活動の協議を再開し、有給による時間内組合活動の範囲を広げるよう求めていきます。
11、 互助会事業見直しに関わる取り組み(1月、2月)
貸付事業やカフェテリアプラン等の互助会事業の拡充を要求します。
12、 新庁舎レイアウト・出退勤管理等問題に関わる取り組み(1月から3月)
@職場が納得いく新庁舎レイアウトを求めます。
A新庁舎における出退勤務管理について、交渉を行います。その際、時間外勤務が管理できるシステムを求めていきます。
13、 07春闘の取り組み(1月から4月)
@春闘情勢学習会と春闘方針案討議を拡大執行委員会で行います。(1.23)
A千代田春闘共闘討論集会に参加します。(1.27、28)
B千代田総行動へ参加します。
C労働法制改悪反対行動を取り組みます。
D第77回メーデー(5.1代々木公園)に参加します。
14、 職員の健康を守る取り組み
@メンタルヘルス学習会(EAP・こころの健康サポート)を行います。(2月)
Aメンタルヘルス問題の宣伝を行います。
15、 平和を守る取り組み
憲法9条の意義を広めます。また、憲法9条を変える目的である国民投票法案に反対します。
16、 政治啓発活動について
@憲法を否定し、福祉、教育予算を削り、オリンピック招致をテコとした巨大開発を進め、豪華海外視察や身内を登用するなど、都政を私物化する石原都政に反対します。
A都知事選挙(4.8投票)、区議会議員選挙(4.22投票)についての政治啓発活動を行います。(4月)
17、 組織強化の取り組み
@組織強化月間を設定し、新規採用・交流職員、再雇用・再任用・昨年採用者の加入訴えを行います。(4月、5月)また、非常勤職員の組織化を具体化します。
A区職労旗開きを1月30日に行い、区職労の1年のたたかう意思を示し、交流を行い団結を図ります。(1月)
B役員の意思統一を図り、取り組みの前進をめざします。
・拡大執行委員会を月1回開きます。
・第1回区職労委員会を2月1日に開きます。主に春闘方針案の討議を行います。(2月)
・第2回区職労委員会を5月末に行います。(5月)
Cスト批准投票を行い組織強化を図ります。(2月)
D組織財政検討委員会を5月から行います。
E労働学校等の組織を行い、役員の学習を促します。(5月)
F味噌造り講習会(2.11)、竹の子掘りツアー(船橋)、さくらんぼ狩りツアー(山梨)を実施し、組合員とその家族の交流を行います。
18、 新庁舎への引越しの取り組み
@区職労事務所の移転に向けて準備体制を1月に確立します。(1月)
A新しい区職労事務所のレイアウト案を提示し、意見を募集します。(3月)
B新庁舎への引越しについて、組合員のボランティアを組織し行います。(3月から5月の休務日)
19、 その他の取り組み
@確定申告相談会を退職者や再雇用・再任用者の要望を踏まえて取り組みます。(2月)
A退職者歓送会を3月2日、再雇用・再任用満了者送別会を3月9日に開きます。
20、活動日程
07年1月
4日(木)   午後5時半、事務所開き
5日(金) 午後3時、都本部旗開き(中野サンプラザ)(小川)
5日(金) 午後6時、東京地評旗開き、加藤
9日(火) 午後5時半、特区連旗開き(ホテエドモント)(小林、藤本)
10日(水) 12時10分、第4回執行委員会
10日(水) 午後6時、港区職労旗開き(メルパルク東京5階)(小林)
11日(木) 午後5時半、課題の事務折衝
12日(金) 午後5時半、中央区職労旗開き(中央区役所8階)(西本)
17日(水) 12時10分、第5回執行委員会
17日(水) 午後5時半、新宿区職労旗開き(新宿区役所地下食堂)(藤本)
17日(水) 午後6時半、文京区職労50周年記念レセプ(シビックホール)(加藤)
19日まで 旅費見直し交渉
19日(金) 午後6時半、千代田春闘共闘(エデュカス東京)(加藤、藤本)
20日(土) 午前10時、特区連三役合同研究集会(千代田区)
委員長、書記長、組織部長、教宣部長
20日、21日 千代田平和実行委員会合宿
23日(火) 午後6時、第6回執行委員会(拡大)
春闘学習会と春闘方針案討論
24日(水) 午後5時半、再雇用部会総会
昼休み、八千代会総会、午後5時半、三部合同新年会
24日(水) 午後6時半、都区職員生協(ラパスホール)(蒲生、桜井書記)
25日(木) 区予算案内示
26日(金) 共済会旗開き
27日、28日 千代田春闘共闘討論集会(加藤、小林、藤本、小泉)
29日(月) 東京春闘共闘都知事選決起集会
30日(火) 午後6時、区職労旗開き、10階
午後1時半、公契約条例で区長要請(自治体キャラバン)
31日(水) 12時10分、第7回執行委員会
組織・人員配置、昇給・昇任・昇格交渉について
1月31日、
2月1日
自治労中央委員会(日本青年館)
2月
1日(木) 12時10分、第1回区職労委員会
2日(金) 確定申告相談会(組合事務所)
7日(水) 12時10分、第8回執行委員会
8日(木) 全労済50周年(加藤)
9日(金) 区議会開会、区退職者送別会
午後3時、特区連書記長会議
大企業包囲行動(朝駅頭宣伝)
午後6時、心の健康サポート学習会
11日(日) 味噌造り講習会(船橋)
14日(水) 12時10分、第9回執行委員会
17日(土) 労働法制反対全国集会
21日(水) 12時10分、第10回執行委員会
27日(水) 午後6時、第11回執行委員会(拡大)
3月
2日(金) 午後6時、退職組合員送別会(スクワール麹町)
午後2時、特区連中央委員会
7日(火) 12時10分、第12回執行委員会
9日(金) 午後5時半、再雇用満了者送別会予定(食堂)
14日(水) 12時10分、第13回執行委員会
15日(木) 千代田総行動(朝ビラ、昼デモ)
20日(火) 12時10分、第14回執行委員会
27日(火) 午後6時、第15回執行委員会(拡大)
春闘集中回答日
人事異動内示
人事異動異議申し立て
新人への訴え
4月
新規採用・交流職員、再雇用・再任用・昨年採用者の加入訴え
(区職労組織拡大月間)
事務所引越し作業
労働学校等の組織
メーデー実行委員会
都知事選挙投票日(4.8)
区議会議員選挙投票日(4.22)
千代田総行動(朝ビラ、昼デモ)
竹の子掘りツアー(船橋)
保健所分会大会
連合メーデー(4.28)
拡大執行委員会(4.24)
5月
組織強化月間
第77回メーデー(5.1代々木公園)
憲法集会(5.3)
新庁舎への引越し・事務所整理(5月連休)
児童館分会大会
夏休要求提出、休暇要求提出、次世代育成支援求める
組織財政検討委員会開始
人事委員会要請署名行動
自治労中央委員会
すずらん祭り
都区職員生協総代会
夏季一時金要求提出
第2回区職労委員会(行動計画案)
拡大執行委員会(5.22)