住民基本台帳ネットワークの稼動に対する区職労見解
2002年8月7日
                     千代田区職労執行委員会

 8月5日、日本国民全員に11桁の住民票コードをつけた住民基本台帳ネットワークが稼動し、各市町村、都道府県と全国センター、国の行政機関等がオンラインで結ばれました。住所、氏名、生年月日、性別、住民票コード、変更履歴の本人確認6情報が全国を飛び交う事態になっています。
 政府は個人情報が流失するようなことはない、万全の対策を講じているとして来年8月の本格稼動に向けて作業を進めています。
 これに対して、個人情報の保護対策が不十分であるなどとして6自治体が接続を拒否、400万人分については接続されていません。さらに、住基ネット差止訴訟(代表・弓削達東大名誉教授)も起こされています。また、市民の間からも個人情報が流失する恐れがあることなど、不安の声があがっています。
 区職労は、様々な問題が指摘されているにも関わらず、住民基本台帳ネットワークが稼動したことに異議を唱えるものです。

 住民基本台帳ネットワークへの接続は、@プライバシーを保障している憲法13条、地方自治の本旨を定めた憲法92条に違反する疑いがあること、A本格稼動となれば、適用事務は更に拡大され、将来的には国民総背番号制で様々な個人情報を一極集中し、国家が国民を監視することに利用される可能性があること、B国民総背番号制、住民基本台帳ネットワークは個人情報の収集・加工を今より数段容易にすること、C住民基本台帳ネットワークのセキュリティは、現在の技術では十分とはいえないこと、D住民基本台帳は、自治体が責任をもって管理すべきものであり、国が管理すべきものではないことなど多くの重大な問題点を抱えています。
 以上の理由から、区職労は、住民基本台帳ネットワークは、直ちに接続を中止すべきであるとの見解を発表します。