特別区人事委員会勧告に対して区職労書記長がコメントを発表しました。
特別区人事委員会「勧告」に対する区職労書記長コメント
千代田区職労 書記長 西本 優
 特別区人事委員会は、10月7日、給与等の「勧告」を行いました。「勧告」は、特別区職員給与が民間給与を3485円(0・79%)上回るとし、月例給引き下げの「マイナス勧告」としただけでなく、一時金0・25月削減で年間4・40月、配偶者等の扶養手当500円削減、第3子以降の扶養手当500円増額などとしました。
 区職労は、5年連続のマイナス「勧告」となったことについて、人事院勧告に追随したものであり、区職員の大都市における生活実態をかえりみない不当なもので、断じて容認できるものではありません。
 今回の「勧告」の主な内容に対する評価は、次のとおりです。
 1.公民較差については、2年連続で給料表のマイナス改定とし、一時金の5年連続の削減と合わせて、職員の年間平均給与が5年連続の減収となり、我々の要求や生活実態からほど遠い、極めて不満なものです。マイナス較差が算出される民間給与実態やマイナス原資の配分の考え方について説明責任が全く果たされていない点でも、納得しがたいものです。
 2.人事院勧告に追随して、特別区においては、4月分給与からの逆較差分を3月期の期末手当から調整するとしたことは、「不利益不遡及」の原則からはずれるものであり、断じて容認できません。
 3.一時金については、不当にも5年連続の削減を勧告しています。なぜ、特別区と全国の一時金の水準が同じなのか不透明さを感じます。また、民間と同様の方式で算定基礎を改めるだけで現行支給月数の維持が十分に可能であるにも関わらず、実施していなのは、区職員の生活を守る視点が欠けているものと言わざるを得ません。
 4.扶養手当については、配偶者等の手当額を、500円引き下げ月額15700円とし、第3子以降の手当額を500円増額して月額4500円とするとしています。
 5.通勤手当については、6箇月定期券等の価額を基礎とした支給方法への見直しの「意見」を出したことは、必ずしも実態にあったものとはいえません。なお、最高支給限度額について人事院勧告を参考に引き上げる考えを示していることは、私たちの要求であり一応評価できます。
 6.能力・業績及び職責に基づく給与制度の構築として、「職員の能力や働きに対し、適切に報いるための給与制度の整備が重要」、「個々の職員間の公平性にも着目した、給与制度全般にわたる抜本的な見直し」などと、「意見」を出しています。このことは、政府がすすめる業績主義強化をねらう公務員制度改革と軌を一にするものです。
 7.人材の確保では、「職員構成の歪みや今後の職員の大量退職を視野に入れ、計画的・安定的に職員採用を行う必要がある」と「意見」を出しており、区職労の区当局に対する新規採用要求の正当性が認められたものと言えます。こうした立場から、区当局の新規採用抑制策の転換を強く求めるものです。
 8.勤務環境の整備等については、「職業生活と家庭生活の両立を職場全体の問題として、その制度の周知、意識啓発を徹底し、育児休業中の代替要員の確保策」等の検討を行うとしている点は、評価できるものです。また、「心の病による者の割合が増えており、職場において心の健康を保持する取り組みが求められている」と言及しており、区当局がこの「勧告」の立場に立ち、勤務環境の整備を図ることは急務です。
 区職労は、「勧告」の内容が職員の生活に大きな影響をもたらすこと、「特別区人事委員会が職員の利益保護等を目的としている」にも関わらず、職員の生活を守る立場に立てていないことからみても、今回の「勧告」を容認できません。
 今「勧告」による給与水準の低下が、地域の勤労者全体の賃金水準の低下につながり、ひいては区財政にも大きな影響を与えるという賃下げサイクルに大きな影響を与えることからも重大な問題があります。
 以上のことから区職労は、「勧告」にとらわれず、職員の生活を守る立場での秋期年末闘争の解決をめざし、区当局と区長会を追い詰めるため全力を挙げてたたかうものです。