2005年賃金・労働条件改善に関する要求書 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
日頃、千代田区職員の賃金・労働条件向上に向け、ご尽力いただいている貴職に敬意を表します。 さて、本年1月に政府は、来年度の「経済見通しと経済財政運営の基本的態度」を閣議決定しました。家計の消費が「着実に増加」するとしたうえで、景気については引き続き「回復を続ける」としていますが、国民・労働者の生活は年々厳しくなっている実態にあり、政府の認識は、現実とは大きくかけ離れたものです。政府の進める規制改革・民間開放、三位一体改革、社会保障制度改革などの「構造改革」は、大企業を中心にかつてない膨大な利潤を生み出しています。しかし、厚生労働省が発表した2004年「毎月勤労統計」では、労働者の月平均現金給与総額や実質賃金が4年も連続で減少しており、総務省の「労働力調査」では、2004年の完全失業率が依然として300万人を越え、しかも就業者全体の30%以上を非正規労働者が占めるなど、労働者の生活が一段と悪化していることが明らかとなっています。昨年12月に日本経団連は「経営労働政策委員会報告」を発表しましたが、企業利益の優先、「構造改革」の促進に向けて、総ての労働者に更なる賃金引下げとリストラを迫るものであり、政府・財界と国民・労働者との矛盾を拡大させています。国民への「構造改革」の押し付けは、公務も民間も問わない「賃下げとリストラの悪循環」の一層の進行をもたらすものです。こうした実態を改め、労働者全体の賃金底上げを図ることこそが、景気を「着実に回復」させる早道であると私たちは考えます。 昨年の千代田区及び特別区職員の賃金確定交渉において、区長会は、「構造改革」を背景にした公務員給与削減を狙う国や人事院に追随し、一昨年の給与改定交渉において確認された「一時金の加算措置問題の前向きな解決」を含めた一切の給与改善を拒否し、給与改定を見送りました。また、都清掃職員の特別区への身分切り替えを口実にしながら2005年度からの業務職給料表の改悪を押し付けてきました。千代田区職員は、住居費負担をはじめ全国最高の生計費を必要とする東京圏での生活実態のもとで、厳しいくらしを強いられており、年金給付の切り下げや保険料額引き上げなどの社会保障費負担増のもとで、賃金・諸手当の改善が喫緊の課題となっています。5年連続の給与削減に続いた昨年の給与改定見送りは、実質的な賃金削減となっており、二度とこのような対応を繰り返されないよう求めるとともに、業務職給料表についても、現業系職員が区政の第一線において行政系職員と一体となった責任ある仕事を担っていることをふまえた水準引き上げが必要であることを強く主張するものです。 また、「公務員制度改革」をめぐって政府は、昨年の臨時国会での関連法案の提出を断念しましたが、「今後の行政改革の方針について(新行革大綱)」を閣議決定し、一層の民間開放の推進を強調するとともに、人事院や総務省、財界の動きに合わせ、「公務員制度改革」をなし崩し的に進めようとしています。政府の動きに呼応して人事院は、俸給表の5%の水準引き下げ、現行の調整手当に代わる「地域手当」新設、定期昇給の廃止と査定昇給の導入等を述べた「給与構造の基本的見直し(素案)」を示しました。これは、私たち公務員の賃金を引き下げるだけでなく、官民ともに地域間格差を更に拡大させ、民間労働者や地域経済に大きな打撃を与えることにつながるものであり、けっして容認できるものではありません。なお、特別区人事委員会は、昨年の「報告」において「給与構造の見直し」に関わり、能力・業績主義の立場から「検証を行っていく必要」について意見を述べています。人事・給与制度は、公正かつ公平な行政を担う保障として、職員の安定的な身分と生活保障を前提とするものであり、国に追随した拙速な判断ではなく、労使の十分な協議と合意こそが必要であることはいうまでもありません。 以上の点から区職労は、貴職に対し、千代田区職員の生活実態と労働条件の現状をふまえた27項目の賃金・労働条件の改善要求をまとめましたので、要求書として提出いたします。 つきましては、千代田区の自治を堅持・拡大する立場から自主的・主体的に検討し、千代田区職員が安んじて職務に専念できるよう、回答されることを要求いたします。 |
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