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T、一年間の区職労運動全体を概括的に振り返って | ||||||
1、組合員の生活と権利を守ろうと奮闘努力 区職労は、大会方針にそって、3年連続の賃金削減攻撃や「小泉構造改革」の名による医療費・介護保険などの負担増攻撃に反対し、組合員の生活と権利を守るために奮闘努力したたかいました。また、有事法制反対など、安心・安全な生活の前提となる憲法と平和を守る課題にも取り組みました。 しかし、01賃金確定闘争では、景気動向の低迷に引き続き影響され、給料表の改定が見送られ、一時金の0.05月削減を余儀なくされ、組合員の年収が対前年比で3年連続でマイナスとなる結果になりました。 労働者・国民などの消費者の懐を暖め景気を回復する経済政策を実施させ、大企業の利益を優先する政策を改めさせるたたかい、国民本位のための政治を求めて取り組むことが切実に求められています。 不払い残業をなくす取り組みを掲げましたが、新たな調査を開始するにとどまり、当局の対応・考え方を変えさせるに至っていません。健康と人権を守るための不払い残業根絶の取り組み、「過重労働」からくる過労死、メンタルな病気などを甘くみず、当局に強く要求していくことが求められています。 人事任用制度問題では、現区政によるいっそうの成績主義強化政策のもと、長年続いた主任主事短期(長期)制度の廃止を余儀なくされましたが、ねばり強い交渉で「実務経験」を一定程度担保しました。特別昇給制度でも二年連続で同じ人に昇給させる仕組みをつくり、当局はいっそうの成績主義強化を進めました。 今後、いっそうの人事任用制度の改悪が予想される中で、昇任、昇格、昇給の公平・民主的な実施、明るい職場を求め続けていくことが必要です。
しかし、住民や職員に負担増を強いる「新自由主義的行政改革」に対して、単年度での結果ではなく、長期的スパンでたたかうことが展望を切り開く道です。そして、あきらめず、これまで獲得していた権利・労働条件を守るために、それを奪うものと断固として対決してたたかうことが労働組合の使命となっています。 2、石川区政に本格的なたたかいを挑んで
今年度は、「中学校給食調理民間委託」「四番町保育園給食調理民間委託」「こども園・幼保一元化」などを手始めとして進めてきました。 これに対して、区職労は、区議会に対する署名行動や区民宣伝、給食まつりなどを取り組み、全面的、本格的なたたたかいを挑み、一定の圧力をかけたものの、区当局は強行しました。 学校給食・保育園給食民間委託反対闘争では、結果として、民間委託を強行されました。しかし、給食の委託に賛成しない区民とのつながりがもてたこと、かつ、陳情署名行動も過去最高水準に到達したことなど、区職労運動に貴重な財産を残しました。また、調理職員の配置については、区当局の身勝手な配置を許さず、職員の希望を優先させることで対応しました。 「区行財政構造改革推進大綱」の実施に反対する闘争は、単年度での結果で見るこなく、長期的なスパンでのたたかいが大事です。私たちには、自治体の公共性と職員の専門性を掲げ、政策を対置してたたかい続ければ、展望は開けると考えています。いつまでも「人間」を大事にしない政策が続くはずがないと確信するからです。
また、「生活環境条例」の実施にあたっての宣伝費等への1億2千万円の補正予算計上と強引なパトロール実施、6500万円のばらまきと言われる地域コミュニティ活性化事業、3億7500万円も支出する江戸開府400年記念事業実施などをみると、不況にあえぐ中小業者支援や区民福祉を軽んじる石川区政がみえてきます。 このように現区政は、今区民が緊急に必要としている政策を十分に実施することなく、住民が住み続けられる政策を打ち出しきれていません。 千代田区の街と生活破壊から区民を守るために、現区政の政策の一方的な内容だけではなく、区職労が、事の本質を多くの区民に知らせていくことが最も重要となっています。この取り組みから区民と職員の連帯が生まれ、区政の転換の方向が見えてくると考えます。 3、区職労組織は重大局面にきている
この一年、組織を強化すべきとの方針を打ち出しましたが、具体的な手だてを講じられず、区職労委員の定数に満たない選出、区職労執行委員の1名欠員、多くの職場での職場委員の未選出など課題が積み残されています。 この間、新入職員の抑制、「合理化」「業務委託」などによる人員削減もあり、組合員数は減少しています。自然減以外の減少をくい止め、新たな拡大を行う必要があります。 また、区当局による「条例に基づく時間内組合活動」の範囲の見直し攻撃は、区職労活動つぶしのねらいをもっています。 これらの組織に関わる課題について、具体策をつくって系統的に実行していくことが求められます。区職労つぶしに対しては、断固とした態度で対応し、労働者の団結権、団体交渉権及びこれまでの「労使慣行」を守らせていく必要があります。 |
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